オオカミはなにを食べているのか?(犬の進化⑥) | 獣医師・宿南章の「愛犬の病気を治す進化犬学 リスクを防ぐ予防原則」

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獣医師が 愛犬の飼い方を予防原則と進化生物学の立場から語ります。1960年代にドイツからはじまった予防的取組。アスベスト・狂牛病といった「遅い教訓」への対処概念でEU、WHO、日本の環境省取り組んでいます。また重要な進化医学の視点から解説します。

オオカミの食性は









進化の過程をちょっと飛ばして、犬はオオカミを先祖としています。


そのオオカミは、なにを食べているのでしょうか!?


カナダ、アメリカ、ドイツ、ポーランドなどで調査されています。


どの地域でも、


『主食は、鹿』 


です。 


鹿はいろいろな種類がいます。

アカシカ、ノロシカ、カリブー(トナカイ)、ヘラジカ、オジロジカなど。


これに、牛科(ヨーロッパバイソンなど)や、マウンテンシープなどを加えると、地域差はありますが、鹿、牛、羊、ヤギなど野生の反芻草食動物でおよそ7~8割以上の食事を確保していると報告されています。


鹿が多く取れる地域は、鹿を特に好んで狩りをしており、鹿だけで75%以上のの食事比率になっているようです。


(ゼッケンバーグ研究所の調査が有名なようです。8年間で3000以上のオオカミの糞を採取分析し、食性を逆算して調査したものです。ここでは96%以上が鹿など有蹄類であった)


残りの食べ物は、地域により獲物の種類やその生息数が変わるため内容が変わりますが、2~3割ぐらいを、マーモットなどのジリス、ウサギ、ネズミ、キツネなどを食べていると報告されています。


重要なことは、鹿を食べているということですが、さらに、掘り下げると、オオカミは、鹿類、牛類、羊類などの4つの胃を持つ反芻動物ばかりを選んで食べているという事実です


ここからが、すごく重要です!!