シリーズ分泌⑧

 

耳垢④

 

耳垢の勉強をした時に先生が提示している下の図に似た耳の図を見て、何で耳ってこんなに複雑なのか?、不思議に思った。複雑過ぎて手術も出来ないと言う。そりゃそうだ。頭の真ん中に、こんな装置が2つあるんだから当たり前だ。この絵を見れば納得だ。

 

外耳と言うのは、謂わば大きなトランペット🎺耳糞なんか書き出している時は、ここを弄っているわけだ。この緩やかな勾配を、子供と散歩したいと思うのは、僕だけだろうか?

でも中耳になってその、神の(仏様)の作り給う姿は一変する。

僕は「鼓膜」しか知らない。でもこの骨は何だ?

 

キヌタ骨

ツチ骨

アブミ骨

 

これを総称して耳小骨(じしょうこつ)と言うらしい。

 

「耳小骨(じしょうこつ、Ossicles)とは、陸上脊椎動物(四足動物)の中耳内に存在する微小な骨であり、外部からとして鼓膜に伝わった振動内耳に伝える働きをする。」Wiki

 

ほとんどの四足動物では中耳内の小骨は鐙骨のみで構成されるが、哺乳類では鐙骨(あぶみこつ)・砧骨(きぬたこつ)・槌骨つちこつ)の3個になり、この順に内耳から鼓膜へ繋がる。」Wiki

 

特に

「人間の鐙骨は人体の中で最小の骨といわれている[1]。」Wiki

と言うからビックリだ。

鐙(アブミ)って聞いた事がある。馬に乗る時🐎足を置くところだ。

砧(キヌタ)って地名を聞いた事があるが、

 

「砧(きぬた)は、洗濯したを生乾きの状態で台にのせ、棒や槌でたたいて柔らかくしたり、をのばすための道具。また、この道具を用いた布打ちの作業を指す。古代から伝承された民具あり、古くは夜になるとあちこちの家で砧の音がした。その印象的な音は多くの和歌にも詠まれ[2]また数多くの浮世絵の題材とされてきた。日本の家庭では、炭を使うアイロンが普及した明治時代には廃れたが、朝鮮では1970年代まで使われていた。現在では完全に廃れている。」Wiki

 

葛飾応為『月下砧打美人図』(部分)より、砧を打つ女性」Wiki

 

こんなに難しい理系の話も、上記のような文系要素の話が出ると寄り道せざるを得ない。僕らの聞いている音はこんなに複雑な骨を伝わり、我々の実存に向かう訳である。

 

特に、槌骨 (つちこつ、Malleus)と言うのは、顎の骨と、耳小骨を結ぶ部品で、哺乳類になって獲得したものだと言う。鼓膜の振動を直接受け止めている。

 

耳は本当に面白く、そして畏ろしい。

白居易の歌に感動して、今回も寄り道のままiPadを置く。

名前、文字の持つ霊的なエネルギー。その名前を耳の部品につけている事の畏ろしさに、感動する。

 

白居易にも「聞夜砧(夜の砧を聞く)」という漢詩がある。この作品は特に、白居易の詩が日本文化に与えた影響の大きさの例に漏れず、平安貴族文化における「砧」のモチーフ形成に大きな影響を与えたという(後述)。」Wiki

 

聞夜砧(夜の砧を聞く)

 

 

原文

書き下し文

通釈

誰家思婦秋擣帛、

誰が家の思婦か秋に帛(きぬ)を擣(う)つ、

どこの家の思い煩う婦人が絹(の衣)を打っているのだろうか、

月苦風凄砧杵悲。

月苦(さ)え風凄(すさまじ)く砧杵(ちんしょ)悲し。

月が酷く冴え凄絶な風の中、悲しげな砧を打つ音。

八月九月正長夜、

八月九月 正(まさ)に長夜、

陰暦八月九月、正に秋の夜長にあたって、

千聲萬聲無了時。

千声万声了(や)む時なし。

数限りない音のやむ間もない。

應到天明頭盡白、

応(まさ)に天明に到らば頭尽(ことごと)く白かるべし、

夜明けまでにもの悲しさのあまり頭髪は真っ白になってしまうであろう、

一聲添得一莖絲。

一声添え得たり一茎の糸。

一打ち毎に一本ずつ白髪が増える(かのような思いがする)のだから

 

夜明けまで行っている洗濯とはなんであろう。

夜中の洗濯に何を思い煩うのか?

何故この砧の作業は夜中なのか?

その言葉を、耳の部位名に使っている思いはなんであろう。

そこに共鳴し、僕らに伝わるこの耳とはなんであろう。

理系と文系がクロスする所に、答えがありそうだ。

また明日。

 

合掌

 

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