天気の子のネタバレがあります。
ご注意ください。
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また、Fate/Staynight(ゲーム、アニメ)、Fate/Heaven's Feel(アニメ映画)のネタバレも含みます。ご注意ください。
この話をするだけで天気の子のネタバレになりかねないので二段構え。
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こっから本編。
いきなり引用で申し訳ないけど、これを読んで、僕はものすごく納得してしまった。
PS2版天気の子を俺たちは遊んだことが有る気がしてならないんだ。/ セラミックロケッツ!
http://cr.hatenablog.com/entry/2019/07/23/000034
そうだなあ、ボーイミーツガールと、特殊能力と、少女か世界かの選択って、僕大好きだったなぁ、ってのを思い出した。
ちょっと様相は異なるんだけど、Fateの「桜だけの味方になる」が僕の中で想起された。
帰ってからこの記事を読んで、そしてそのあと延々とインターネットで「天気の子 感想」を検索して読み漁っていた。みんな面白い話をたくさん書いてて読んでて楽しかった。
見て良かった映画だと思うし、他の人にも勧められる映画だ。見る気ない人には無理矢理には勧めないけれど。
なので、お話のメインはまぁまぁいいんだけど、細部で気になる点がいろいろあった。
一番気になったのは、登場人物の心の動きと言動が一致してなくないか? ということ。
主人公二人はまぁいいんだけど、まわりの大人(+凪先輩)が、「え、なんであなた今そのセリフ言うの? その行動とるの?」っていうのが何回かあった。
雨が降り続いて事務所の窓に雨水溜まってる状態で、ケイちゃんなんで窓開けたの?
そりゃ水入ってきちゃうやんけ。
ケイちゃんなんで土壇場で帆高のこと助けるように警察の妨害したの?
なんかそれ決心させるような描写ありました?
いや、直前に帆高が「あの人に会いたいだけなんだ」的なことを言って、それを自分と奥さんに重ねたのはなんとなくわかるんだけど、直前まであんなに警察側だったのに、いきなり公務執行妨害をするに至るにはちょっと動機が弱すぎやなしないかい、もちょっと前から帆高に対して理解あるような描写を入れておいたほうがよかったんじゃないかい、と思った。
え? このタイミング? って思ったんだよな。それやるならもっと早い段階でやってんじゃね、って。
警察はもう帆高撃って良かったと思う。実銃を発砲しただろうことは音でわかっただろうし、それを一般人に向けている時点で、もう危険でしょう。
警察の発砲の基準はわからないけど、あれは度を越してたと思う。一般人の身の安全のために撃って良かったのでは。
凪先輩もあのときポッと出てきて帆高を助けるけど、そのときのセリフが「全部お前のせいだ! 姉ちゃんを返せ!」なのがすごくちぐはぐに感じてしまって、君は帆高に恨み言を言いたいのかい? それとも助けたいのかい? なんなんだい? ってなってしまった。
「姉ちゃんを取り返してこい!」ならすごく納得するし、なんなら「行け! 帆高!」でもいいんだけど、女装までして児童相談所を抜け出してなかなかの距離を移動してきて帆高に言いたかったことはそれなのか??? と混乱してしまった。
ただ、この罵倒が帆高にとって鼓舞になっているのは間違いないので、その点では凪先輩の行動は結果的に思いと一致してるのかもしれないけど、そうすると、「鼓舞するために罵倒する」というとんでもねーひねくれワザを10歳の小学生がするんですか……? いやぁ、いくら凪先輩でもそれはちょっとできすぎでは……と。
エンターテインメントのカタルシスとしてはいいと思うんだけど、エンターテインメントのカタルシスのためだけにキャラクターを動かしているような気がして、もうちょい説得力持たせられなかったのか? と思ってしまった。
3年後もねぇ……みんなよくそれで済んでるな、って感じ。結構なことやらかしてなかったっけみんな……
あと、夏美の原付であの段差ジャンプするの、流石に無理っしょ、バイクのサスペンションどうなってんだ、ハンドル持ってる夏美はまだいいけど、後ろに乗ってる帆高はどっか飛んでっちゃうんじゃないのと思わないでもないけど、あそこはエンターテインメントで割り切ったんだと僕も割り切れたからよしとする。
我ながらダブルスタンダードだけども。
と言っておきながら、同じくらい細部で大好きな箇所もあって、
ケイちゃんが亡くなった奧さん(明日香)のメモを未だに冷蔵庫に貼ったままだったり、
柱に娘の身長の傷跡付いてたり、
会社の名前がケイちゃんと明日香のイニシャルからとってたり、
凪先輩の女の名前が声優さんそのまんま(カナとアヤネ)だったり、
刑事さんが「ちっ、うっせーな」って悪態ついてたり、
監察医呼びますか?って言ってたり、
が好きだった。そりゃあんな、はたから見たら支離滅裂なこと言ってたら精神鑑定かける?って思われても仕方ないわなぁ。
あと、子どもの「世界の狭さ」の表現がすっっっっっっごく上手かったと思う。
警察とか児童相談所が無条件に敵になっちゃったり、
世間知らずでネットの知恵袋で聞いちゃったり、
手っ取り早く稼げるバイト=性風俗だったり、
ラブホの自販機のご飯がご馳走だったり、
きっとこの映画を見ている大人はもっとマシな解決方法を知ってるから、帆高たちは何やってんだ! って思うのかもしれないけど、彼らは彼らなりに彼らが持ち得る知識の中の最適解を選び続けているだけなんだよなぁ、っていうのが感じられて本当に良かった。
拳銃拾ったら届けろよ……とか、正直に言えば警察もわかってくれるよ……とか、児童相談所はそんなに無条件で悪じゃないよ……とか……
主人公たちのバックボーンがあまり詳細まで描かれていなかったけど、それはきっと観客に想像の余地を残してるんだろうな、って思ってる。手抜きなんかじゃなくて。
きっと作り手側は裏設定持ってるんじゃないかと思うんだけど、それは各々が補完するのがオツってもんですよ。
陽菜のチョーカーがお母さんの形見で、最後倒れてた時にチョーカー千切れてたところを見ると、お母さんも天気の巫女だったんじゃないかと疑っちまいますね僕ァ。なんなら天野一族みんなそう。これを解明するカギは、800年前に戻る Summer 編で(詳しくは前述の記事で)。
形見は身代わり。じゃないと陽菜の透明化が治った理由が思いつかない。
それこそ因果律の逆転で、陽菜の透明化の代償にお母さんの命が奪われた説すら出てくる。それはちょっとやりすぎかな。
「世界からの修正」とか「因果律の逆転」とか好きなんす。
あとこれはもう見る前から確信してたけど、めっちゃ絵が綺麗。どうしても比べちゃうんだけど『君の名は。』以上だったと思う。
水の表現がさ、綺麗なんすよ。雨粒。あと謎の魚。あと光の境目。雨の境界。
音楽は『君の名は。』のほうが上手だった。全編ボーカルも含めてRADWIMPSだったからね、まとまりがあった。あと歌入るタイミングがズルかった。天気の子は女性ボーカルの歌あったし、歌のタイミングは『君の名は。』には及ばなかった感じ。
最後の選択で、結局帆高は陽菜を選択したわけだけど、そりゃそうでしょって思っちゃうんだよな。これは僕が甘いんだろうか。人間みんなそうじゃない?
確かに理性的には女の子一人の命で世界が(実際には東京かな?)救われるんなら尊い犠牲だけどさ、それが自分のたいせつなひとだったら「世界なんか壊れたままでいい!」ってなりそうなもんだけどもね。
犠牲になるのが自分だったら犠牲になるかもしれないけれど、自分じゃなくてたいせつなひとだったら犠牲になんかさせたくないよ。
あのケイちゃんだって、奥さんや娘が天気の子だったら「世界のための犠牲ならしょうがない」なんて言えないと思うんだよな。他人事だから言えるんだ。
あぁ、これ書いてて思ったけど、もしも明日香が先代の天気の子だったとしたらアツいな。ケイちゃんはその選択をしたってことか……そして帆高にはその選択をさせなかったということか……
線路走ってるシーン、周りにたくさん人がいるのに、誰も帆高を止めたりしないのが、なんか東京って感じでよかった。仕事の人(警察)だけなんだよな帆高を止めるの。他のみんなは見てて、「あれっ?」って思うだけ。
自然に対する畏敬の念的なものがすごく感じられた。
異常気象と言うけれど、それを異常と言っているのは人間の尺度でしかなくて、何が「正しい」かなんてよくわからない。
地球のバイオリズムかもしれない。
人間が正しさと誤りを決めるなんて、おこがましいと思わんかね、と言われているようだった(そんな押し付けがましくないんだけども)。
いろんな人の感想で、「セカイ系を正面からぶっ壊した」みたいな表現が出てくるんだけど、なんか言い得て妙だよね。
少女を選んだことで世界は壊れるんだけど、それでもみんな適応してなんとかやっていくんだよね。電車の代わりに船で通勤してんのスゲーな、って思った。
てっきり、もう人住んでないのかと思ってたよ東京。
あぁ、言い忘れてたわ。すっごい好きなのが、陽菜が人柱のこと言う前に帆高に「この雨は止んでほしいと思う?」って聞くところ。
人柱の話する前に聞いてくれた気遣いな〜、そんなのするなよぉ、まだ子どもなんだから……
でもなー、人柱の話したあとだと「雨なんか止まなくていい」って帆高言いそうだもんな〜わかる〜、そしてそのことを陽菜が確信してそうなのがすごく好き〜
なんだよお前らカップルかよ……
なんか感想書いてたら全体的に好意的になっちゃったな。最初はあんまり好意的じゃなかったような気がするんだけど。まぁいいか。
おわり