お正月の間に、会社関係や多くの青年部関係、友人、知人より年賀状を頂きました。ありがとうございました。感謝!!昨日ようやくチェックや整理が終わりました。

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画像の、今年の干支である『丑』の絵は、毎年地元の別団体で新年参拝例会をする際に宮司さんからいただくものです。宮司さん自らがお描きになっているようです。
今年は4日の朝に参拝に行き、貴重なお話も伺いました。

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日本人は恵まれているから、何でも手に入るから、モノを大切にしなくなっているし、周りを自分の都合に合わせようとするようになった。不便だと思えば、意味のあることでも、その本質を考えないで、自分の都合に合わせようとする。結果、古き良きものが継承されなくなり、その本質が忘れ去られてしまう…こんな様な内容でした。

「便利」には二通りありますよね?
その本質を守った上での革新的な技術による『便利』。
その本質は多少損なわれるが、手間や作業、労働量が軽減されるための『便利』。

弊社が造り酒屋として、少数スタッフと共に手造りにこだわる部分はそこにあります。
機械を導入すれば、軽減できる作業や労働力があり、合理化が可能な工程もあります。でも、そうすることによって、出来上がりに若干の差異が発生する工程もあります。それを良しとするか、悪しとするか…。

昔の日本酒は高付加価値商材でもあり、ある時までは必要な労働力を確保しても、原材料にコストをかけても、成立していました。高度経済成長に伴い、原料、資材、労働賃金が高騰する流れの中で、日本酒の付加価値は徐々に低くなり、昔ながらのやり方が通用しなくなり(採算が合わなくなり)、合理化が推し進められる場面が出てきております。

実際、日本酒は昭和48年から減少の一途をたどっており、昭和50年に約168万キロリットルあった国内消費数量が平成18年では約69万キロリットルに(約41%)、昭和45年に3533あった製造場数も平成18年には1887に(約53%)…。まだ統計結果が正式に発表されていないここ2年間は、更に急降下していますので、目も当てられない状況であることは間違いありません…。石川県や北陸3県は日本酒が飲まれるエリアではありますが、平成8年と平成18年との比較で消費数量は約53%までダウンしております。私が青年部に入部したのは平成8年…所属していた10年間で…日本酒消費量は約半分。

そんな日本酒業界の流れを鑑みて、事業を継続する上での本質を熟考し、数年前に規模を縮小してでも、合理的なやり方を避け労働量を増やしてでも、守り、そして繋げていくための製造の在り方を判断しました。
このことが正解かどうかは、まだ分かりません。青年部OBの先輩諸氏からも指摘されることがあります。業種の違いによる考え方、捉え方の違いはありますが、生業を“ビジネス”“商品”と捉えれば、ある意味、時代に逆行しているのでは?…と。社長自らが現場に入ってどうする?…と。

弊社では、手仕事で行なっても、機械類を使用しても、結果が変わらない部分は『便利』を求めますが、結果に差異が発生する部分は『便利』を求めません。それによって、労力が必要な工程が多々発生します。深夜の仕事、早朝の仕事もあります(この部分は私が担当し、スタッフにはあまり負荷をかけないようにしていますが…)。でも、他の楽なやり方よりも、求める結果を引き出すには必要なことであると納得できています。最善の仕事だと理解できています。だから、結果として私と製造スタッフによる、こだわった現在の製造の在り方があります。

大きな酒蔵ではありませんし、ブランド力もありません。でも、存在感ある酒蔵として、地域に必要とされる酒蔵として、存続していく為の判断でした。これだけ景気が悪いと(景気のせいにするつもりは全くありませんが)、ここ数年はその判断が正しかったのか不安になるときがありました…。
でも、何かを感じ、想いを持って、弊社の事業に携わっていただいているスタッフさんが存在している以上、少なくとも間違いではなかったと実感しています。

特に昨年は、当時求めた本質を完全に理解してもらえる機会が何度かありました。その都度、一人ひとりが何をすべきかを真剣に考える場面がありました。そして、納得した状態の今年があります。想いの強さや方向性に差異のない状態が出来上がりつつあります。
時間がかかります。一朝一夕には成り立ちません。
でも、ようやく求めるチームになりました!!最高のスタッフとこの苦境に立ち向かっていけます!!

今年の仕事始めは、新年の挨拶も兼ねたスタッフミーティング…3年~5年後までを見据えた中期の事業体制・方向性の確認をし、春までや今年1年間の短期の事業体制や内容を相談し、一枚岩のチームの在り方を確認しました。
各自の思いや意見もありました…不安や悩みもありました…課題や問題もありました。でも、一人ひとりがきちんと向き合って話をし、意見を交換し、積極的な攻めの姿勢と積極的な守りの体制をそれぞれ確認し、心を一つにして本年の仕事をスタートさせることが出来ました!!今年も気合を入れて、夢に向かって頑張ります!!