今日も午後に来客があり、仕込み作業も立て込んでいるので、お米が蒸しあがるまでの休憩時間にアップ!!いつもは、この時間帯に雑務をこなすのですが、昨夜は麹の品温が安定せず、なかなか帰れなかったので、昨夜のうちに済ませておきました。本日は、穏やかな休憩時間です。

酒造りネタです…『酒母(しゅぼ)』とは???

お酒を発酵させる為に欠かせないのが、麹菌と酵母菌!!

『酒母(しゅぼ)』とは、特定の酵母菌を純粋培養したものです。現在は、空気中にも、水中にも様々な微生物が存在し、日本酒の醸造は、微生物汚染の危険性もあります。ですから、日本酒発酵の為に元気の良い純粋培養された酵母菌が必要となります。

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酒母仕込みは、少し小さめのタンクで、低温管理できるスペースで行います。最初に水と乳酸、酵母菌を投入します。乳酸を投入するのは、麹の糖化力を阻害することが少なく、細菌の増殖を防ぐ力が強いからです。これによって、特定の酵母菌のみ純粋培養できる環境が整います。

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次に事前に造っておいた麹を投入し、この状態を『水麹(みずこうじ)』と言います。その後、蒸し上がった酒米を投入するのですが、その前に水麹の品温を確認し、仕込後の想定温度から逆算して、蒸し米の温度を決めます。蒸し上がったお米は熱いので、投入する際の蒸し米温度を算出し、その温度まで冷ましてから投入すると言うことです。

酒母の仕込方法は、いくつかあります。一般的な速醸仕込みをはじめ、山廃(やまはい)仕込み、生酛(きもと)仕込み、高温糖化仕込み…などなど。

「山廃」とか「生酛」とか、聞いたことのある単語だと思いますが、これらの説明をしようとすると、かなり長~い文書(いつものブログの2~3倍くらい???)になってしまうので、あえて割愛します。興味のある方は、是非インターネットで検索してみてください!!

ちなみに…弊社は『夢醸流酒母仕込み』という当酒蔵の状況と環境に適した手法を…これは企業秘密です!!

純粋培養する酵母菌にも色々な種類があります。業界内に存在する『日本醸造協会』が毎年優良な株を培養し、頒布する『協会酵母』が一般的で、協会9号酵母とか、協会14号酵母とか…特殊な契約酵母も色々存在しますし、酒蔵において自家培養している酵母などもあり、国内にどれだけの種類があるかは、なかなか特定できません!!

酵母菌も、良い香りを出すことに特性があったり、旨味を出すことに特性があったり、酵母菌によって主たる特徴があるので、酒蔵ごとで、目指す酒質に応じて、酵母菌を使い分けます。

ちなみに弊社では、主に3~4種類の酵母菌を使い分け、かつ酒蔵オリジナルの特殊配合酵母菌も。

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一般的な酒母の仕込方法で、仕込んでから使用するまでの期間は10~14日くらいです。説明を割愛させていただいた山廃仕込みなどは1ヶ月くらいかけて培養します。

麹と酒母を事前に準備してから、本仕込みを行います。こちらに関しては、また後日機会を見て…。