先日の調査準備で国境付近に行った帰りの事。
夕闇迫る中、シェムリアップに向けて車を運転をしていると、16年前にバイクでアンロンベン(シェムリアップ州の北に位置するオッドーミンチェイ州)へ行った時の事を思い出しました。
この頃は、日本の地元で介護の仕事をしながら、時間を作ってカンボジアに衣服や文房具等の物資を届ける活動をしていました。
その時もアキラ地雷博物館(現在、カンボジア地雷博物館、以下、博物館)でお世話になっていたアキーラーさんの案内で、農村部へ衣類を持って行っていました。
朝、博物館で住み込みでボランティアをしていた友人のマサ君のバイクを借りてシェムリアップを出発‼️
今でこそ綺麗な舗装道路になっていますが、当時はシェムリアップの街から40kmほど走ると細い赤土の道でした。
しかも、かなりのボコボコ具合で、悪路に強いピックアップトラックでも、慎重に運転しないといけない状態でした。
バイクだと多少マシではありましたが、30kgの荷物をバイクに積んでの走行でしたので、例に漏れず、なかなかの過酷さでした。
昼過ぎに目的地の街に到着し、そこで衣服等の物資を農村部の方にお渡しし、しばらくゆっくりしていました。
そんな時、案内してくれていたアキーラーさんから「紹介したい村がある。今の村よりも貧しい」と声をかけてもらったので、どれくらいで着くかを確認。
すると「30分くらい」との事だったので行ってみる事に。
しばらくバイクを運転。
まだ運転。
まだまだ運転。
ようやく止まったと思ったら、トイレ休憩。
その時点で既に30分は過ぎていたけれど「もうすぐ」との言葉を信じてひたすら運転。
さらに運転。
まだまだまだ運転。
次第に元気に輝いていた太陽がだんだんと勢いと熱を失い始め、空はオレンジ色っぽい色に変わり始めている。
でも、まだまだまだまだ運転。
途中、バランスを崩しそうになりながらも、引き続き運転。
時計を見ると、既に17時を過ぎていて、どうも「夕方」と呼ばれる空になっていた。
でも、まだまだまだまだまだ運転は続く。
それまで辛うじて確認できてえいた太陽も、ついに山に隠れてしまった。
その後しばらくしてバイクを停止。
どうやら目的地の村に到着した様子。
既に赤紫色の空は、薄暗い空になっていました。
確かに電気もない様子から、決して豊かとは言えない事だけは薄暗いながらも確認出来ました。
その後、荷物をバイクから下ろし始めるアキーラーさんを見て、プレゼントでもするのかなと思っていたら、ご飯を炊く道具やテントを張る用意を始めていました。
ふと「?」が浮かんだので、「アキーラーさん、そろそろ帰りましょうか」と言うと、「?」という顔に。
「シェムリアップに帰りますよね?」という質問に、「帰らないよ」とまさかの返事が‼️
「え?私 明日のお昼に便で日本に帰るので、今日戻りたいんだけれど」と質問。
「はい、帰ってもいいよ」と笑顔で回答。
「いやいや、一緒に帰りましょうよ」と言うも、「大丈夫、道はだいたい1本道だから」とまたまた笑顔で返事。
「う〜ん、もう日も沈んで、暗いし」と食い下がるも、私が乗ってきたバイクのエンジンをおもむろにかけると、ライトをオンにして「はい、明るい。大丈夫」と更なる笑顔で返事。
もう無理だ‼️と腹を括って、単独ドライブでシェムリアップの街を目指す事に😅
その道中、「まだ明るいよ〜。まだ青色が確認出来るよ〜。大丈夫だよ〜」と自分を励ましながら運転。
この時、『トロッコ』(芥川龍之介)を読んだ時にイメージしていた光景と目の前の現実が重なる。
暫くしてまさかのスコール☔️
水溜りかと思って走っていたら、結構深い穴だったり溝だったりして、3回ほど転倒...。
腕や肘に痛みが走るも、すり傷程度ならマキロン対応で大丈夫‼️と帰路を急ぎました。
何時間も土砂降りの中を運転し、雨でぬかるんだ赤土にタイヤを取られてスリップ、転倒。
胸を強打して息も出来なくなり、もんどり打ちながらも回復を待って、必死に運転してようやく荒い舗装道路に出る‼️
「帰ってきた‼️」と思わず拍手👏
その後は、転倒するとすり傷では済まない事は分かっていたので、安全運転‼️
昔の川沿いにあった博物館に戻ると、まずバイクの持ち主のマサ君にバイクで何度も転倒した事を謝罪‼️
で、薄暗いながらも蛍光灯の下に立って鏡を見てビックリ‼️
もうお世辞も言えないくらいにボロボロでドロドロ...。
体はスコールで冷え切っていたけれど、泥汚れを落とす意味で、川(シェムリアップ川)にダイブ‼️
川の流れである程度の泥を落として、井戸水を汲んで、プラ製の手桶で水浴びを🚿
その後、新しいTシャツとズボンに着替え、博物館のみんなと一緒にご飯🍚
長くなってしまいましたが、そんな頃を思い出しました😅
16年前の必死な自分を思い出しました😁
道が良いって素晴らしいですね‼️