カクテルの王様と言えば「マティーニ」なんだが、「カクテルの女王」といわれる「マンハッタン」というカクテルがある。

 

これを私は、34年前、成田からロンドン・ヒースロー空港に向かうJAL便の中で、初めてオーダーして初めて飲んだ。感動的だった。

 

ウイスキーベースなのだが、スイートベルモットでマイルドさが強調され、アンゴスチュラビターズという苦みのある数滴の香りが、なんともいえないハーモニーを醸し出していた。

 

それ以来、スタンダード・カクテルを出すお店に行ったときは、かならず「マンハッタン」を頼んだものだ。

 

しかし、そういうバーはあまりなく、しょうがないので、自分で作って飲むことにした。去年からだ。

 

11月の声を聴くと、「マンハッタン」の懐かしい味が思い出される。クリスマスは「マンハッタン」で祝うからだ。

 

ただ、問題がある。アンゴスチュラビターズが一杯に数滴しか使わないので、長らく余ってしまうのだ。

 

でも、このビターズなしには「マンハッタン」は成り立たない。今年はどうしようか。

 

このビターズは、ジンと合わせてもいいのだが、そうなってくると、必要な材料はどんどん増えていく。

 

カクテルづくりは年末だけに限ることにしてるから、なかなか悩ましい次第である。