帯津三敬病院名誉院長であり、日本ホリスティック医学協会会長、日本ホメオパシー医学会理事長の帯津良一博士が「科学とスピリチュアリティの時代」(2005年出版)に寄稿した論文が目に留まりました。
以下、論文の要点をまとめてみました。
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人間は身体性(からだBody)、精神性(こころMind)、霊性(いのちSpirit)の3つからなる
20世紀、西洋医学は主に身体性を対象に目覚ましい発展を遂げ、一大体系医学を築き上げ、人類の幸福に多大に貢献しました
一方、がんをはじめとする難治性の疾患に手を焼いているのも事実
なぜか?
単に身体性だけの病ではなく、精神性、霊性にも関係した病、すなわち人間まるごとの病だから
人間まるごとの病に対しては人間まるごとの医学、つまりホリスティック医学(Holistic Medicine)が必要
代替療法(Alternative Medicine)は別名、補完療法(Complementary Medicine)と呼ばれ、西洋医学以外の方法は全てここに含まれる
そこに共通項を求めるとすれば、精神性と霊性に向かっている、という点
私たちは内と外に電磁場と重力場、そのほか生命に直結した、さまざまな物理量が存在し、それに対応した場を形成しており、これらをひとまとめに「生命場」と呼ぶ
生命場のポテンシャル・エネルギーを霊性、それが脳細胞を通して、外部に表現されたものが精神性と考えてみる
代替療法の台頭とはエネルギー医学の台頭であり、西洋医学と結びつき、統合医学(Integrative Medicine)に至る
統合医学とは、西洋医学と代替療法との間の積分(Integral)、すなちわち双方をいったんバラバラにしたあと集めなおして全く新しい体系として作り上げた医学のことで、あくまで病というステージにおける方法論の問題にすぎない
ホリスティック医学とは、病というステージを超え、生老病死を貫き、その生き方の根源を問うものであり、人間まるごとの意味は、主たる対象を霊性においている
時空を超えて広がる虚空のポテンシャル・エネルギーをいのち(Spirit)、その一部が私たちの体内に宿ったものを生命(Soul)とすると、統合医学はSoulを、ホリスティック医学はSpiritを対象としている
現代の医学のなかで最もホリスティック医学といえるのがホメオパシー(Homeopathy)だろう
ホメオパシーは、およそ200年前、ドイツのサミュエル・ハーネマンにより体系化された医学で、次の2点の原則が挙げられる:
1、似たものが似たものを治す
2、最小有効量を用いる
薬剤として用いるものの原料は全て自然界に存在する動物、植物、鉱物由来のものであり、これらから得られた母液を徹底的に希釈することで、物質性を完全に排除し、原料の持つエネルギー場のエネルギーだけにし、これが人体の生命場に働きかける(=最小有効量を用いる)
ホメオパシーはエネルギー医学であり霊性の医学である
どのレメディを用いるかは診断の際に患者が語る物語(Narative)、すなわちその人の生命場のエネルギーの発露をくまなく聴きとることで、その人の生命場の状態を描き出し、その人の全体像をつかみ取んだ上で決めらえる(Narative Based Medicine物語を基にした医学)
「似たものが似たものを治す」という原則は、すなわち、場の共鳴現象と呼べる
霊性の医学では、その効果判定が身体性の医学とは異なる
身体性の医学の場合、その基本概念は病因論(Pathogenesis)、つまり、身体の一部に故障部位を求め、これを機械の修繕のように直すため、結果は治った治らないに二極化する
病因論で補いきれない領域をカバーするために登場したのがアーロン・アントノフスキーのサルートジェネシス(Salutogenesis健康生成論)、つまり、人間を病か健康かに振り分けることをせず、すべての人が健康と健康破綻とを結ぶ多次元的連続体の上に位置し、現在地に安住することなく、常に一歩上を目指す存在として捉え、そのなかに健康になる要因を探していこうとする立場
ホメオパシーの臨床でも、当面の症状にそれほどの改善は見られないが、元気が出た、前ほど苦にならなくなった、自信がわいてきたなど、エネルギー値の一歩向上を示す述懐が聞こえる
20世紀の西洋医学の発展のなかで、治った治らないの二極化がしみ込んでしまった様子
医療とは、患者、家族、友人、さまざまな医療者が織り成す場の営み
当事者のすべてが自らの生命場のエネルギーを高めながら他の当事者の生命場のエネルギーを絡み合い、共有する場のエネルギーを高めていく結果、患者のみならず、当事者全てが癒されていくことこそ医療
医療とはもともとホリスティックなもの、そのことに気づけば医療の本来的な構図が浮かび上がる
医療とは、生命場と生命場、霊性と霊性とのぶつかり合いの場、つまり主客非分離がいちばんの基本条件
すべての当事者がそれぞれサルートジェネシスを果たしながら、生命(Soul)といのち(Spirit)双方の場のエネルギーを高めていく、そこには医療と養生の区別はなく、それがホリスティック医学









