ぁ。ども…おこんばんちわ〜〜今日もお疲れさまですおばけ
今日の昔ばなしは
化け物退治の話
ほんじゃ〜〜
https://youtu.be/ddVBuUHqAWo?si=Dj75Mg8BRf5u20fk
昔むかし、福岡県朝倉郡に、阿弥陀が峯(あみだがみね)という山があったそうな。
この山には、いろいろ姿形を変えては人に悪さをする化け物が住んでおった。
ある夜の事…町へ出かけていた1人の村人が、帰り道を急いでおった。
「いやあ、すっかり遅くなってしまったなあ…だども、今日は草鞋(わらじ)がたくさん売れたし、娘への土産も買ったし、これで一杯やれば……」
「おっとっと、化け物に出会わんようにせんとなあ…ナンマイダブ、ナンマイダブ…」
そう言いながら歩いておった。
ところが、誰もいないはずなのに、背後から…
「ナンマイダブ…ナンマイダブ…」
「…ハテ?」
不審に思った村人は、ふと立ち止まった。
「だ…だ…誰じゃ?」
そして、恐る恐る振り返ってみると…
「酒を置いてけ〜〜!」
なんと、そこにいたのは…
「あ……阿弥陀様!」
「置いてけ〜〜!」
阿弥陀様は、酒を奪おうと、村人を脅した。
「ばぁ〜〜〜っ!」
「うわあああっ!」
驚いた村人は、酒も荷物も全て放り投げて、その場から逃げ帰った。
とうとう化け物は、阿弥陀様にまで化けて、悪さをするようになったのじゃった。
それで村人たちは、山の上の阿弥陀堂に集まって、どうすればよいか相談する事にした。
が…何しろ、相手は得体の知れない化け物の事…
なかなかよい考えが浮かばなかった。
そこで、和尚様がみんなに声をかけた。
「のう…皆の衆、今夜はもう遅いようじゃで、この続きは明日という事にしたらどうかの?」
「そうですなあ…そろそろ帰らんと…」
「じゃが、悔しいのう…」
「まあまあ…」
と、村人たちが帰ろうとした、その時…
「大変じゃ〜〜!」
村人の1人が、血相を変えてやってきた。
「ちょっくら外に出てみたら、お堂の前にこんな物が…和尚様、読んでみてください…」
「これは、手紙でないか……ん〜〜…?」
なんと、それは化け物からの手紙じゃった。
それによると…
3日以内に、娘を人身御供として捧げよ。
そうすれば、娘には極楽浄土を授けてやる。
もしそれに叛けば、牛や馬はおろか、人も殺す。
というのであった。
次の夜もまた、人々はお堂へ集まって相談した。
「仕方ねえ…娘を出すだ」
「うん、それしかしょうがねえだ」
「それより仕方ねえ」
村人たちは、そう話をまとめた。
ところが…
「何を言うだ!オラんちの娘は出さねえぞ!」
「ワシもじゃ!」
娘のいる村人たちは、断固として反対した。
「じゃが、お前らんちの娘しか、娘はいねえ。それに、極楽浄土へ行けるというだ」
「んだ」
「やっかましい!誰が何を言おうと、娘は出さん!」
「村の者が殺されてもか!」
「お前らは娘がおらんから、そんな事が言えるんだ!」
「娘を出せ!」
「出さん!」
「出せ!」
「出さん!」
「娘1人ぐらい…」
「絶対出さ〜〜ん!」
村人たちの間で、激しい言い争いになった。
そして話はまとまらないまま、それぞれお堂を後にした。
娘のいる村人の家では、女房と娘が怯えておった。
「あんた…本当に大丈夫だろうねえ?」
「なに、ビクビクするな。絶対に渡しやしねえ。あいつら、自分に娘がいないからと思って、勝手な事を言ってやがる…いざとなったら、このワシが相手になってやるわい」
一方、お堂では和尚様が、阿弥陀様に向かって念仏を唱えておった。
「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…どうすればよろしかろう?村人たちは相分かれて、争っております。人々は今こそ力を合わせて、化け物を退治しなければなりません。どうぞお力をお与えください…南無阿弥陀仏…」
「おい!娘を出せ!」
「やかましい!ワシんとこ以外にも、娘はおるじゃろう?」
「ワシんところの娘はまだ歳がいかんで、人身御供には向かんのじゃよ」
「勝手な事をぬかすな!」
「よ〜〜し…こうなったら、力づくでも開けてやる!」
すると…
「お待ちください…」
そこには、この辺りでは見かけた事のないような娘が1人、立っておった。
「そのような乱暴はいけません」
「どこのどなたさんか知らんが、ほっといてくれんかのう?」
ところがその娘は、こう言うのじゃった。
「私は、旅の巡礼の者です。人身御供の話は聞きました。どうか、この私を遣ってください」
「ええっ?お前さんが?」
「はい…」
村人たちは、どこの誰かも知らぬ娘が、人身御供に出てくれるというので、大喜び…
「ハハハ!」
「よかったよかった〜〜!」
その夜は、どんちゃか騒ぎじゃった。
そうして3日目の夕暮れ…娘を、西の外れの岩山に送り届けた。
娘は1人で、夜の更けるのを待った。
娘は念仏を唱えながら、焚き火に石をいくつも投げ込んで、石を焼き始めた。
「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…」
と、その時…
「南無阿弥陀仏…南無……」
娘は、念仏を唱え続け、そして…
「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏……たあーーーっ!」
娘の気合いで、焼けた石が飛び散って、娘の周りを取り囲んだ。
遂に、化け物が姿を現した。
ところが、その飛び散った焼け石のため、化け物は側へ近寄る事が出来んかった。
娘は、念仏を唱え続けた。
「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…」
すると化け物は、体をどろどろに溶かして、娘に迫っていった。
「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏……たあーーーっ!」
また気合をかけると、焼けた石は、化け物の溶けた体に落ちていった。
「ぎゃあああっ!」
焼けた石に、さんざん体のあちこちを焼かれた化け物は、どこへともなく逃げ去っていった。
次の日の朝…
娘は、村人たちにこの事を話して、山奥の洞窟へと入っていった。
するとそこには、身体中が焼けた一匹の年取った大狸が死んでおった。
化け物の正体は、この大狸だったのじゃ。
村人たちは娘に、自分たちが力を合わせて化け物に立ち向かわなかった事を深く詫びた。
娘はその事を聞くと、すっかり安心した様子で、再び旅立っていった。
「不思議な娘じゃのう…」
「もしかして、あのお方は…」
村人たちは、その時になって初めて、あの娘は阿弥陀様の身代わりで…
阿弥陀様が、自分たちの事を助けてくれたんじゃないかという事に気づいた。
それから村人たちは、どんな時にも助け合って、力を合わせて暮らしたという事じゃ。
おしまい。
最近ちょっと化け物退治の話ばかりですが
実はコレも、過去に一度投稿した話でした
ところでどーでももえーけど、狸って字が書けるのね←まあ化ける力があるくらいやから、文字書くくらい朝飯前か😅
にしても、ここの村人たちは勝手ですね…まあ、娘のいる家では、大切な娘を差し出すなんて絶対にしたくないのも分かるけど
他の村人たちも、自分には娘がいないから関係ないや〜〜みたいな感じやったし
それより、娘を出さずに済むもっといい方法がないか、みんなで考えられへんかったんかしら
ほんでそこへ、都合よく見知らぬ娘がやってきて、人身御供を買って出てくれたからって、宴会とかするか〜〜どんな神経しとん😩?
この話を初めて見たのは小学生の頃でしたけど、子どもながらにあの場面は
化け物が出てきた時よりもゾッとしたのを覚えています
あの娘さんは、阿弥陀様の化身やったんやな…あの娘さんがいなかったら、村はどないなっとったやろ
まあ、この事でみんな反省したみたいやし、それを戒めとしてその後は安寧に暮らせたんやったら、それでよかったんかな
阿弥陀様のお導きのおかげやね
今回の話は、福岡県の阿弥陀が峯というところに伝わるお話でした
次回は
丹波の山里でのお話
以上、本日ここまでどす🙇♂️
訪問が化けるほど遅れております…毎度ゴメンやす
では〜〜明日もご安全に〜〜
おーきにです〜〜ほなね〜〜