ぁ。ども…おこんばんちわ〜〜今日もお疲れさまです
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山の中で「あいつ」に遭遇してしまった牛方さんの話![汗うさぎ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/671.png)
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ほんじゃ〜〜![口笛](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/010.png)
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「牛方と山んば」(初回放送1976年8月21日)
語り(市原悦子)
牛方(常田富士男)
山んば(市原悦子)
東北地方(新潟県)の話です。
昔あるところに、1人の牛方がいました。
ある時、山里の人たちに頼まれて、海辺の町から干した魚を運ぶ事になりました。
朝早く海辺の町を出たのに、今はもう真昼。
これから山道にかかって、山里に帰り着くのは早くて夕方です。
少しでも早く、頼んだ人たちに荷を届けにゃならんと、牛方は昼飯も抜きで歩き続けました。
干し魚を1本抜いて、歩きながら食っても、誰も文句は言いません。
でもこの牛方は、そういう事はしませんでした。
頼まれた荷は、1つの不足もなしに届ける。
これが、この牛方の心意気だったそうです。
「こんなところで…あいつが出なきゃいいがなあ…」
やがて、道は山道となりました。
千年ケヤキがギチギチと、幹と幹を押し合って道の左右に立ち並んでいて、犬1匹道を逸れる事はできません。
「あいつは…ああいうところさ隠れてるんだ…」
やはり「あいつ」です。
山んばです。
ペコペコに腹を空かした山んばです。
「おら待て!」
「出たか…」
「美味そうな魚っこ積んでるな?オラに1つ、くれろ」
「なんねえ」
「そんな事言わねえで、くれろ」
「なんねえ」
「なんで、なんねえ?」
「人に頼まれた魚っこだで、なんねえ」
「そんなら、べこを食わせろ」
「それも、なんねえ」
「なんで、なんねえ?」
「べこ食われたら、オラ商売が出来ねえ。だから、なんねえ」
「なら、お前を食わせてけろ」
「それも、なんねえ。オラは、オラの大切なオラだでなあ…なんねえ」
山んばを怒らせながら…牛方は、腹の中で何とか助かる道を考えていました。
走って逃げる手は、一番まずい手です。
走る力は、最後にとっておかねばなりません。
「何グズグズしてるでか?魚っこか、べこか、おめえか、どれか食わせろ」
「しょうがねえ…頼んだ人にゃ、すまねえがな…」
牛方は、仕方なく魚を1本、後ろへ放り投げました。
「うわっ?アハハ!」
「1本だけだで、ゆっくり食うてけろや」
山んばは、しゃがんで物を食う事を、牛方は知っていました。
その間に、少しでも先へ行こうという訳です。
でも、魚1本で済むとも思っていませんでした。
山里が見えるところに行くまでに、何本やらねばならないものか…
牛方は、腹の中で考えていました。
「全部、食われるべかな…それでも、まだ足らねえべかな…」
「うめかった!もう1本けろ」
山んばの食い方は、牛方が考えていたよりずっと速いようでした。
1本、また1本…
魚は、次第に残り少なくなっていきます。
そして山里が見えてくる峠は、まだまだ遥か遠いのです。
いやはや…ものすごいばかりの、山んばの食いっぷりです。
これが最後の1本…
もう時を稼ぐ手立ては、他になくなってしまいました。
「美味かった♪もう1本くれ」
「もう見ての通り、1本も魚っこねえだ」
「うるせえ!ガシャガシャ言わねえで、べこかおめえか、どっちか食わせろ!さあ、どっちが食われるか、早く相談ぶって決めるだど。オラ、じきに待ちきれなくなるでよ」
牛方は振り返り、牛と顔を見合わせると…
「すまねえな…」
「ハハハ!そうかそうか…食われるのは、べこの方か?ガハハ!めんこいべこだべ?ハハハ…ケヘヘ♪」
牛方は、どうにもやりきれない気分で、その場を後にしました。
「この分なら、そう遠くは行くめえ?このべこ食ってからでも、追いつけるで…ハハハ」
山んばは、牛方の後ろ姿を目で追いながら呟きました。
さあ、走る時がきました。
今までためておいた力をブルンと振るって、牛方は韋駄天走りに走り始めました。
「待〜〜て〜〜!」
なんという事でしょう…
牛1頭あっという間に平らげて、また追いかけてきたのです。
牛方は、心の底から恐ろしくなって、命からがら逃げに逃げました。
「べこは美味かったで、おめえもうめえに違えねえ!」
「オラ、美味くねえ!美味くねえ!」
「いやいや!うめえに違えねえ!」
「美味くねえ!美味くねえど!」
「うめえに違えねえってばさ!観念して、食われろ〜〜れろれろ♪」
山んばは、追い縋ってきます。
逃げる牛方の息が続くか、追いかける山んばの食い気が勝つか?
呆れた山んばです…牛方の着物の切れ端まで、食い始めました。
「あ…?ハハハ!うみゃあうみゃあ♪人間の味がして、うみゃあ♪」
逃げても逃げても山んばは追ってきて、牛方はとうとう丸裸にされてしまいました。
そして、最後のふんどしまで取られそうです。
ふんどしまで取られては男の恥と、牛方は最後の力を振り絞って逃げました。
「は〜〜…は〜〜…」
力尽きた牛方は、道端の木陰にそっと身を隠しました。
山んばは、気づかずに先へ行ってしまいました。
「待〜〜て〜〜い…」
ところが、急に牛方の姿が見えなくなったので、また戻ってきてしまいました。
牛方は、慌てて木の上に登りました。
「おのれ〜〜…この辺りに隠れてるに違いねえ。どこさ隠れた!牛方あっ!」
山んばは、暫くウロウロと探し回っていましたが…
なんと…池の水面に、牛方の姿が映っていたのです。
「いた!いた!」
とうとう見つかってしまいました。
もう逃げる方法はありません。
ところが…
「カエルみてえに、水の中に隠れてただ!この山んばの目を誤魔化す事はできねえぞ!」
山んばは、牛方が水の中にいると思って、池へ飛び込んでいきました。
「助かった…」
牛方は、その隙に木から降りて、そっとその場を離れました。
牛方は、もう一歩も歩けませんでした。
幸い、山んばが追ってくる気配もありません。
どうにか生き延びた。
そう思うと、どっと疲れが出て、立っている事もできなくなりました。
と…折りよく道の傍に、1軒の空き家があるではありませんか。
「よし、あの屋根裏にでも隠れて、一休みするか…」
牛方は、家の中に入ると梯子を上って、屋根裏で暫く過ごす事にしました。
「はあ…よく逃げ延びたもんだ。これも、べこのおかげだ…」
身代わりになってくれた牛の事を思うと、牛方は胸が辛くて辛くて、泣けそうになりました。
すると、下から何やら物音がして、誰かが中へ入ってきました。
なんと、空き家だと思ったのは、山んばの家だったのです。
「いやあ…牛方を食い逃したのは惜しかったども、魚っことべこと、今日は思わねえご馳走にありついたど♪」
山んばがそう言っている様子を見て、牛方は上でガクガク震えていました。
すると、山んばはひとつ、大きなあくびをして…
「さあて、このまま寝るか…それとも、ねずみがおっかねえから、釜の中さ入って寝るか…どっちにすべえかなあ…」
その言葉を聞いて、牛方ははっと気づき、何やら床を探り始めました。
そして、木片を1つ見つけると、それを口にくわえてガリガリと音を立て始めました。
すると下では、急に山んばが怯え始めたのでした。
やはり…
「へっ?ね…ねずみだべか?」
そうです…牛方は、思い出したのです。
山んばは、何よりもねずみを恐れる事を。
これで、兄弟分の牛の仇が討てる…
そう思って、牛方はガリガリとやり続けました。
「ひゃあっ…ねずみだ!おっかねえ…オラ、かじられるよお…」
ねずみにかじられまいと、山んばは大窯の中に潜り込んでしまいました。
今がチャンスです。
心を落ち着けて、仇討ちの支度を始めました。
牛方は、木片をガリガリやり続けながら下へ降り、部屋の隅の石臼を運んで釜の上へ乗せると、山んばが出られないように閉じ込めてしまいました。
暫くすると山んばは、自分が閉じ込めらた事に気づきました。
「誰だ?蓋どけろ!どけてくれ!さ〜〜ては、牛方だな?おのれ〜〜!」
牛方は、薪に火をつけながら、静かに言いました。
「違うだ…ねずみだ。ねずみが、べこの仇を討つだ…」
かまどの火は勢いよく燃えて…
さすがの山んばも逃げるに逃げられず、焼け死んでしまったという事です。
「は…はあ……く……しょん!」
おしまい。
懐かしい話を見つけたので、取り上げてみました![にっこり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/614.png)
![にっこり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/614.png)
この話は、牛方と山んばのやり取りがおもしろくて、ついつい笑い話みたいな錯覚起こしてしまいそうですが![汗うさぎ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/671.png)
![汗うさぎ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/671.png)
実は、結構な怖い話かも〜〜
←色んな意味で😅
![滝汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/039.png)
けど、山んばさん…ちょっと詰めが甘いよね![魂が抜ける](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/627.png)
![魂が抜ける](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/627.png)
自分で弱点バラしちゃうとはね…もしかして、どこかで誰かに聞かれているかも
という危機感ゼロやん![チーン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/045.png)
![しょんぼり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/076.png)
![チーン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/045.png)
ま…力では絶対に勝てないから、知恵でやり込めるとゆー…牛方さんのほうが一枚上手でしたな![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/590.png)
![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/590.png)
なんちゅーか…「窮鼠猫を噛む
がじ‼️」っていいますか
←ねずみ苦手なだけに…ドラちゃんか🤣
![ねずみ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/173.png)
![ウシシ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/058.png)
なんか「三枚のお札」とか「ヘンゼルとグレーテル」の話にちょっと似てるなと思いました![爆笑](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/001.png)
![爆笑](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/001.png)
ところで、牛方さん…必死の思いで命拾いしたけど、その後どないなったんやろな![無気力](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/624.png)
![無気力](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/624.png)
魚全部食べられたし牛さんまで喰われたし…😅
まあ…「命あっての物種」っていいますし、どないか生きていけたかな![にっこり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/614.png)
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人間「生きてるだけで丸儲け」ってね![指差し](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/602.png)
![指差し](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/602.png)
魚は…まあ、事情を話せば分かってもらえたと信じましょう😅
次回は
イタズラ狐に翻弄される村人たちの話
訪問が爆裂遅れております…毎度ゴメンやす![泣き笑い](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/592.png)
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では〜〜明日もご安全に〜〜![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/007.png)
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おーきにです〜〜ほなね〜〜![バイバイ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/128.png)
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