ぁ。ども…おこんばんちわ〜〜今日もお疲れさまですわん
今日の昔ばなしは
…なんか頑張るとこズレてない
ほんじゃ〜〜
岡山県の昔ばなしです。
依然YouTube貼り付けがエラーのため、もし動画をご覧の方はコチラのリンクからお願いします🙇♂️
むか〜〜し昔…美作(みまさか)に、いたずら者の「あまんじゃく(天邪鬼)」がおってな、あっちへ行っちゃ悪さし、こっちへ行っちゃ悪さして、村の衆の手を焼かせておった。
「べろべろべ〜〜っ!」
「おぎゃあ〜〜っ!」
「ほ〜〜れ、怖いだろ?もっと泣け!もっと泣け!」
「こら〜〜っ!また、そげな悪さしちょる!」
「フフフ♪また次の悪さしちゃる〜〜♪」
「フ〜〜〜っ!」
「こら〜〜っ、いたずらもんが、何するだ〜〜っ!」
あまんじゃくは、村外れの山ん中に1人で住んでおったからな、遊び相手もいる訳じゃねえ。
それで寂しくって、余計に悪さしちゃあ喜んでおったんじゃ。
この日も、あまんじゃくはあっちこっちで悪さして遊んじゃあ、鎮守さんの森へとやって来た。
すると…
「ふ〜〜ん…?」
そこで、あまんじゃくは、見慣れんおなごが柴を拾っているのを見つけてな…
「どこのおなごだ?フフフ…ひとつ、脅かしちゃろ♪」
あまんじゃくは、かわいらしいおなごを見て、早速いたずらを始めおった。
そして、何やら不気味な笑い声をあげた。
「ケケケ…ケケケ…」
おなごは、ふと手を止めて辺りを見てみた。
「気味の悪い声…何だろ?なんかおる…」
その不気味な笑い声は、まだ止まない。
「ケケケ…ケケケ…」
そこで、おなごは気づいた。
「は〜〜ん…あれが、おばさんが言っておった、いたずら者のあまんじゃくだな?知らんふりしてやろ…」
おなごは、あまんじゃくの相手をせずに、知らんふりして柴を拾っておった。
そこでようやく、あまんじゃくは笑うのをやめた。
「ちえっ…おもしろくねえ…」
「あまんじゃくめ…相手になってやらんから、諦めてどこぞ行きよった」
と、おなごは拾った柴を背負って、帰り支度を始めた。
ところが、あまんじゃくは…
「ケケケ…そんな簡単に諦めるもんかい♪」
このおなごは、隣村の者じゃったがな…
流行り病で、おっとうもおっかあも亡くしちまって、この村に引き取られて来ておったんじゃ。
あまんじゃくは、このおなごがかわいいもんじゃで、余計にいたずらしちゃろうと思うてな、おなごの後をずんずんついて行ったじゃ。
そして、おなごの住む家までついて行き、こっそり縁側の下に隠れると、いたずらの機会を待っておった。
あまんじゃくはそのうち、待ちくたびれて眠りこけてしまった。
やがて、夜も更けた頃…
家の戸が開く音で、あまんじゃくは目を覚ました。
すると、中からおなごが出て来て、何やら空を見上げて話し始めた。
「おっとう、おっかあ…今日はなあ、神社に柴を拾いに行ったんよ。そしたら、おばちゃんが話しとったあまんじゃくが出て…でも、平気だった。オラ知らんふりしてやった」
おなごは、こうして毎晩、星に向かってその日の事を話しておったんじゃ。
おっとうやおっかあは星になって、空におると思っておったでなあ。
「何を…ぐちゃぐちゃ言うとるんだ?」
あまんじゃくは暫く、その様子を不思議そうに見ておったが…
「ふ〜〜ん…そうか、あのおなごはどうやら、あの星が好きなんだな?よっしゃ!いい事を思いついた…ケケケ♪」
何を思いついたのか、あまんじゃくは大急ぎで、二上山(ふたかみやま)へ飛んで行くとな、てっぺん目指してスタコラ登って行った。
「ほいっ…ほいっ…」
二上山は、この辺りじゃ一番高い山じゃったからな…
てっぺんに登りゃあ、そりゃあもう、頭の上の星は、手え伸ばせば届きそうなぐらいに、いっぱいに輝いとった。
「へっ!この星は全部、いただきだい♪」
あまんじゃくは、おなごが好きな星を全部取って、意地悪しちゃろうと考えたんじゃ。
そこで、ピョンピョン跳ね飛んでみたが…
どうにも、星までは手が届かん。
「クソ!もう少しなんだがなあ?よ〜〜し…」
と、今度は何やら集め始めた。
「こいつを、撚り合わせて…と」
あまんじゃくは、ほうき草を集めて繋ぎ合わせると、長〜〜いほうきを作った。
それで、そのほうきを空に振り上げるとな…
星に向かって、振り回したじゃ。
「どうだ。コンニャロ〜〜っ!コンニャロ!…う〜〜んまだかあ?もうちょっと…」
それでも、星には届かんかった。
「ふ〜〜ん…いけん。よ〜〜し…こうなりゃあ、意地でも取っちゃる!」
あまんじゃくは、辺りの石をせっせと集めるとなあ…
背丈ほども積み上げて、そこに乗っかったんじゃ。
こうすりゃあ、星はもう目の前じゃ。
そんで、その石の台の上から、ピョンピョンと跳ね飛んで、星を掴もうとしてみた。
「いよっ!はっ!……あ〜〜…まだいけん…」
それでもダメ。
「それ〜〜落ちろ落ちろ!え〜〜いっ!」
それでもダメ。
「う〜〜ん…あんなそばにあんのに、どうして取れねえんだあ?よ〜〜し…勝負だ!」
あまんじゃくは、石の台から飛び降りると、今度は村へ駆け降りていってな…
大きな石を担いじゃあ、山のてっぺんへと運び出したんじゃ。
どんどん石を運んでな…
道端の石がなくなりゃ、今度は河原の石…
それもなくなると、石灯籠から…しまいにゃ、漬物に使っとる石まで全部、山へと運んだんじゃ。
「ほいっ…ほいっ…」
それで、あまんじゃくは山のてっぺんに、おっそろしいほど高〜〜い石の塔を積み上げた。
「ヒヒヒ♪今度あ、いいだろう…」
あまんじゃくはそう言ってな、高い石の塔を落ちんように、用心しいしい登っていった。
さ〜〜あ、もう星は本当に、鼻の先に光っておる。
「ヒヒヒ♪さあ、あのおなご…星を取られて、泣くぞ?」
いよいよ星を取ろうと…あまんじゃくは、塔の上からほうきを振り回した。
ところが、どうした事じゃ…
こんな高く石を積んでも、まだ星には届かん。
「え〜〜い何だい!どうして取れねえんだあ?コンニャロ!コンニャロ!」
そのうち、東の空がぼんやりと明るくなってきた。
コケコッコ〜〜!
「ひょ〜〜っ?夜が明けちまう…」
夜が明けてしまえやあ、星がみんな消えちまう。
あまんじゃくは、慌てて石の上を飛び上がったり叫んだりしてみたが、どうにも星には届かんかった。
「え〜〜い、クソ〜〜っ!」
と、その時…
「ひゃああ〜〜っ!」
あまんじゃくは、山のてっぺんから谷底に転がり落ちてしもうたが…
そんな事で、諦めるあまんじゃくではねえ。
「クソ〜〜!今度こそ見てろ〜〜っ!星をぜ〜〜んぶ取っちゃるぞ〜〜っ!」
それからというもの、あまんじゃくは毎晩毎晩、星取りに夢中になって、村へ悪さをしに降りて来なくなったという事じゃ。
二上山のてっぺんから谷底まで、ゴロゴロしている石はみ〜〜んな、あまんじゃくが転がした石だという事じゃ。
おしまい。
この昔ばなしを初めて見た小学生当時は、何となくあまんじゃくが空に向かってほうきを振り回しているシーンだけは覚えていて
それ以外は、断片的にしか覚えていなくて
改めて見直してみて、ナルホドこんな話やったんかと今思っています
また、美作という場所も当時は知らなくて、自分の住む兵庫県と、そのお隣の鳥取県&岡山県との3つの県境にあると知ったのは、それからもう少し後になってからでした
この話は、岡山県美作市に伝わる「あまんじゃくの星取り石」という民話が元になっているようですね
ところで何でもええけど、このあまんじゃくさん
なんか、途中で頑張るとこ間違ってない
まあええか…そのおかげで、村にイタズラしに行く事がなくなったんやったら
もしかしたら、今もまだ星取りに夢中になってたりしてね
やとしたら、もはや本末転倒ですな←まあ人に迷惑がかからなければ、むしろそのほうがええねんけどね😁
その、あまんじゃくが星を取ろうとして登ったといわれる「二上山」は、話の中では「ふたかみやま」と言っていますが、現在は「ふたかみさん」が正式名称のようです
そして、あまんじゃくが積み上げたとされる「星取り石」は、今も残っているそうです
ところで、昔は人の言う事に反抗したり、素直ではない人の事を「あまのじゃく」と呼んだりしたけど、今でもそんな言い回し通じるんかな
類義語で「へそ曲がり」なんてのもあったけど、それも今や死語かしらん🤣
この話も有名かな…絵本にもなっていますしね
ただ「まんが日本昔ばなし」としては、この話がないのは残念です
次回は
たにしさんの不思議なお話
訪問がボケるほど遅れております…毎度ゴメンやす
では〜〜明日もご安全に〜〜
おーきにです〜〜ほなね〜〜