先週の日曜日、朝から子供達の
「あそぼ♪あそぼ♪」
の16ビートは止まらない…。

……外は激しい湿気を帯びた絡みつく暑さ。
こんな日に公園で鬼ごっこなんて最早親に対するパワハラじゃないだろうか?しかし、そんなことを子供達に訴えたところで暖簾に腕押しなのは百も承知。……
仕方がない、ここは一つ、物で釣るか。
分かってるんです。そういった安易な方法は教育に良くないって。でも、膝を突き合わせ何故ママが公園で鬼ごっこを今したくないのかを子供達に納得してもらうよう説得できるだけの体力ゲージも残ってないんです。そもそも16ビートを刻み始めた奴らはその隙さえ与えてくれないんです。あと私は基本、スーパー出不精。
という(いい)訳なので、

「子供らよ…
かき氷でも食べに行く?」
「「イエーーーーーーーーーーーーーイ!!!」」
子供達には度々サンシャイン池崎神が降臨します。
「よし!そしたらまずは部屋を綺麗にお片付けしちゃおう!!娘は宿題もすませちゃおうね!そしたらすぐに出発だぁ!!!」
ここぞとばかりに色々とお願いを追加していく私。

「「わかったちょーーーー!!!」」

…………………………ふ、チョロいな。
そしたら私はこの間、コーヒーブレイクでもさせてもらいましょうか。ふふふ…。

するとものの数分もしないうちに
「「終わりましたぁぁあ!!」」

………ちょ…また早ぇなぁ…。コーヒーまだ少ししか飲んでないヨ?
一応コーヒーブレイクの延長の一縷の望みをかけて出来たかどうか確認してみましたが、その望みは絶たれました…。
物が絡むと途端にいつもの倍の能力を発揮する子供達…。その能力を1割でいい、月曜の朝にも発揮してほしい。
まぁ、でも約束したので

「じゃあ、かき氷、食べに行きますかぁ。」
「「イエーーーーイ!!」」

外に出た途端むわっとした熱風が肌にこびりつきもう暑い…。これはかき氷が美味しくいただけそうです。さぁて、一番近くの喫茶店に行ってみるか。

ところが…

かき氷がない…。
え?マジ…??つ、次行ってみよう…!!

……この暑さの中、近所の喫茶店やファミレス、かき氷出してそうなお店を回るもかき氷がない…。一つもない…。マジか……。

「あ、ねえ、子供達、ソフトクリームは売ってるよ?ソフトクリームじゃダメ?」
「ダメ!!」
「あ、じゃあさ、スーパーでかき氷買って外で食べるじゃダメ?」
「ダメ!!!お店のかき氷が食べたいの!!!」
子供達は一切の妥協を許さない。
「じゃあさぁ…」
「ママ!!ここで諦めたら今までの苦労が水の泡だよ!?私も探すから諦めないでママも探そうよ!!✨」

……なんていい目をしてるんだ…

………でもママはこれに関してはそんなに悔しいと思うほど苦労してないので、水の泡でいいです。スーパーで好きなアイス買ってあげるからそれで手を打ちませんか?
と交渉を持ちかけようとした時、
「ママ!!ママ!!かき氷あるよ!」
と手招きする大五郎(仮)。え?と慌てて駆け寄る娘と私。するとショーケースに並べられているかき氷が…!!
「ほんとだ!!大五郎(仮)!!お手柄!お手柄!!」
と小さく拍手をして弟を称える娘。
大五郎(仮)…普段目の前にあるものすら見つけられないのに、こういう時だけスーパー千里眼発動ですね。
ウキウキとお店に入ろうとする2人を「ちょっと待ってほしい。」と引き止める私。何故ならここは高級喫茶店。そしてこのかき氷はひとつ800円…。
800円出したらあーた、マックセットが二つ買えちゃうじゃないの!!すき家に至っては鰻丼が買えちゃうのよ!?
子供が夏の思い出に食べるかき氷なんてのはせいぜい300円がいいところじゃないかしら?せめて500円。

しかし、

「ママ、約束を簡単に破る人は信用無くすってママいつも言ってるじゃない。ママ、信用無くすよ?」
…特大ブーメランを脳天に突き刺してくる娘。
瀕死の状態の私に

「ママ…もう信用しないよ?」

と容赦なくとどめを刺さしにくる息子大五郎(仮)。

…………………………。

「いらっしゃいませぇ♪」
可愛い制服を着た綺麗なお姉さんに案内された店内は感染対策バッチリでとても綺麗でした。

「ご注文は?」
「あー、子供達にいちごのかき氷2つで。」
「かしこまりました。お客様はいかなさいますか…?」
「え?あ、あー、そしたら私は…
アイスカフェオレ、一つ…。」
「かしこまりました♪」

そしてやってきました念願のかき氷。
さすが高級かき氷。いちごが果肉です。

ちょっと大きくない?食べ切れる?という私の心配はあっという間に綺麗に食べ切る2人によってノイズ化されました。

因みに大五郎(仮)はこの練乳を飲もうとしていました。

この日かき氷とコーヒーしめて、2700円。
物で釣った代償は大きかったです。ですが、この夏初のかき氷を頬張る2人の笑顔はプライスレス。なので一片の悔なし…!