テレビに映るイケメンアイドルに「カッコいい〜♡」と黄色い声をあげる娘。するとそれまで隣で見えない敵と必死に戦っていた息子大五郎(仮)、
おもむろにスッとテレビの前に立ちはだかりました。
視界を遮られた娘は
「ちょっとーー!!どいてよ!!見えないでしょうが!!」
と当然大クレーム。
しかし、そんなクレームにもグッと俯いたまま
「………大五郎(仮)はアンパンマン見たい。」
そんな事を言い出し、頑としてテレビの前から動こうとしない大五郎(仮)。
これは流石に大五郎(仮)が良くないので、2人がリングに上がる前にタオルを投げる事に。
「大五郎(仮)、お姉ちゃんが先に見てたでしょ?貴方、さっきはずっと何かと戦っててテレビ見てなかったんだから。アンパンマンはこれ見終わってからね?」
と言う私の投げたタオル(忠告)も
「やだ!!アンパンマンみたいの!」
とちぎって投げ捨てられました…。
「大五郎(仮)…お姉ちゃんにイケメン見せてあげてよ。お姉ちゃん、このイケメン大好きなんだから。ほら、大五郎(仮)も一緒に見よ?イケメン、いっぱい出てくるよ?」
「そうだよ!!私見たい!!」
それを聞いた涙を大五郎(仮)、肩を震わせながら絶叫。
「イケメンなんて……
イケメンなんて
大っ嫌いだぁぁぁあ!!」
リビングに大五郎(仮)の心の叫びが響き渡りました。
…………普段姉と野生のボスザルの政権争いを思わせる壮絶な喧嘩を繰り広げている大五郎(仮)だが、なんだかんだと姉が大好き。お姉ちゃんをイケメンに取られたくなかったんだね…。
(という解釈でよかったですか?)
大丈夫、貴方も十分イケメンですよ。ねぇ、お姉ちゃん?
「……うん、大五郎(仮)もかっこいいよ。」
「おねーちゃ……✨」
この後2人で仲良くイケメンを鑑賞していました。