週末、子供達と公園に行った時のこと。
鉄棒を見つけると、「久々に(逆上がり)やっちゃうかー!」と自信満々の娘。

ー見よ、弟よ!これが逆上がりだぁ!ー

勢いよく蹴り上げる足…!
伸びる肘…
反る体…

ズドン…!!

鉄棒を一瞬も巻き込むことなく元の位置にリターンする両足…。
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「…………………。」

…あんなに練習した逆上がりが全く出来なくなってる…。完全にもう逆上がり出来ないフォームにもどってますやん…。

そんなバカな…。と落ち込む娘。
その後、何度か逆上がりを試みるも、逆上がれず…。

「…娘…肘は曲げたまま、胸を鉄棒から離さないように、足は自分の頭の方に蹴り上げて、それから…」
「そうだ!ママ!これは勢いが足りないから出来ないんだよ!」

………私の声はもう雑音ですか…?

娘はそう閃くや否や、鉄棒から3.4メートル離れると、そこから鉄棒目掛けて猛ダッシュ。

その名も 
加速力で逆上がり!大作戦…!!

「うぉりゃやあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

そしてその勢いのまま、鉄棒を握りしめ、
いざ!ゴートゥー逆上がり!!

しかし…踏み込みのタイミングが取れずタンタタンと踏鞴を踏み、ゼロ加速になる娘。

「あ、あれ〜〜〜?!」

あの猛ダッシュは最早ただの走り込み。

…娘さん、前に逆上がり練習した時も一発逆転狙ってそれやってましたけど、その時も鉄棒前で踏鞴を踏んでゼロ加速になってましたよね?それでその時ママは「どんなに加速をつけても踏み込みが上手くいかなかったら意味ないよ?」って言いませんでしたっけ?ママのアドバイスをすぐに雑音化するのやめてくれません?

「おっかしぃなぁ…?」

と納得いかない様子の娘。仕方ないです、地道にまた特訓しましょうよ。
しかし、諦めきれない娘の次なる作戦はこうでした。

「もっと遠くから走ればいいんだ!!」

違う。
 
…漢字練習3倍速の時もそうでしたが、貴方の努力の方向、いまいちズレている気がします。
(参照 https://lineblog.me/shubiko06181228/archives/2415627.html)

そして娘はいそいそと鉄棒の後方、コンクリートで出来た小さな山、通称プリン山へと向かい、登頂。
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マジ…?
言うてもあれでしょ?もうちょっと遠くから走るとかでしょ?とか思っていた私の予想の遥か斜め上をいく娘。

「ママーー!さっきは勢いが足りなかったんだよ!これでやってみる!!」

題して
「プリン山頂上からの逆上がり、加速アップ大作戦。」

勢いよく鉄棒へ向かって下降、走っていく娘。
手を伸ばし、いざぁあ………!!

「どりゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

タン、タタタ、タタンタ…

……………………踏鞴、再び……。

そしてゼロ加速へ………。

「あれーーー?なんでぇ??」

……娘よ、母の声は聞こえているだろうか…。
もう一度言おわせて欲しい。
逆上がりは加速じゃない。
今ここで、逆上がりのやり方YouTubeを観ながらもう一度練習やり直さないか?

「よし!!もう一回!!」
とプリン山の頂へと戻る娘。

………………。

もう雑音どころかモスキート音化している私の声など届きはしないだろうが、私は貴方に伝えたい…、
努力の方向、そっちじゃないだろう…と。

2度目のプリン山登頂に成功した娘、
いざ、逆上がり加速度アップ大作戦、開始…!!

「ハァハァ…っつ、次こそ…!!」

めっちゃ疲労困憊してますけど、大丈夫…??

「うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

勢いよく駆け下りる娘…!!
娘よ!もしこれで逆上がりが成功したら、私と一緒に人生の必勝法本を出さないか……?
しかし……下山直後、なんと早くも踏鞴を踏みだす足…

おっとっとっとと……

…ズザァァア!
ドンッ!
ドド、ボンン、!
ズザァァァァァァァア!!

……うわぁ…人がゴム毬のようだぁ…。

肩からもろに転げ落ちた娘は

いったぁあ……💢
…いっったぁぁぁあ⤴︎💢」

とぶつけようのない怒りを叫びながら、ジッと鉄棒を睨んでいました。

……我が娘ながら、今日も突き抜けてるなぁ…。
てか鉄棒は何も悪くない。

肩を負傷した為、この日の逆上がりの練習は終わりにしようと言う私に「まだ出来る…!!」と無駄に立ち上がろうとする娘を説得して、大人しく帰る事に。
帰り道、5.7.5で綴ってある交通安全標語をふと見た娘が痛む肩を押さえながらボソリ。

「気が付けば、出来なくなってた、逆上がり。」

…………何という哀愁…。

傷が癒えたらまた練習しよう、地道に。