時は西暦2000年 たしか22か23歳


Aちゃんと幸せな毎日を始め、自分自身もエホバの証人から逃げられたと思ってた頃です。

ちょろいじゃん!って思って。



同棲生活も意外と順調でした。


ある日Aちゃんが

「久しぶりに友達と飲みに行きたい!」

と言うので、


「子供達は俺がみるから行ってきな~」



というわけで私と子供3人での夜が来ました。

全然自信あったんですよ最初は。



子供達のお風呂は彼女が入れてから出掛けたので後は寝せるだけ。



いつもの様に二段ベッドへ行って添い寝しながら寝せてました。



でも今日はママが居ない。下の子はすぐ寝てくれたんですが上のシホちゃんは多分ママが恋しくて寝れなかったんです。



11時…12時と時間だけ過ぎていきました。



どうしても寝れなかったんでしょう。シホちゃんは妹を起こそうとしたり、

おもちゃで遊び始めたりしました。



寝かせなきゃ



それだけしか頭に無かったんですね。



「シホ 駄目だよ! こっちに来なさい!」



お察しの方もいるかもしれません。





きっと私は父が私に鞭をした時と同じ様な血の気が引いた顔をしていたと思います。






ロボットみたいな。



マインドコントロールのスイッチが入ったあの顔です。





私は平手で子供のお尻を叩きました。




シホちゃんは泣きました。




その時ハッと目が覚めました。





何だコレ…




俺は何を





したんだ…?






とたんに目から信じられない位の涙が溢れてきて






こんな小さい子に傷をつけてしまった。






ごめんね!ごめんね!

痛かったよね!寂しかっただけなんだよね!






私は子供の躾なんて鞭しか知らない。

それが正しいと教えられてきた。






あれだけ嫌だった事を



こんな



こんな罪もない子にしてしまった。




泣き疲れてシホちゃんは眠りにつきました。






翌朝Aちゃんから


「シホの事叩いたの?」




「うん……ごめんなさい」




彼女は

「信じてたんだよ? 私… もうダメかも。

明日出ていって…」





「ごめん もうしない!悪かったのは本当に良く分かった だから…。」



言いかけた私に彼女は話してくれました。



「私が前の旦那と離婚した理由。

旦那のDVだったの。

あなたが叩いたってシホから聞いて怖くなって…

子供叩くなんてオカシイよ…」





この時に初めて知ったんです。



子供を叩いちゃいけないって



鞭は間違ってるって。



私の根っこにはまだエホバの証人だった頃の教理が残っていたんです。





出ていく日




私は寝室で肩を落として項垂れていました。




そうしたらガチャっとドアが開いてシホちゃんが一人で入って来たんです。





涙を隠そうとする私にシホちゃんは無言で頭を撫でてくれて。




抱きしめながら

「ごめんね ごめんね ずっと一緒にいたかった。」





私は玄関で彼女の提案の通り、

「パパは遠くに行かなきゃいけなくなったの。 だからもう会えないんだ。

元気でね。」





シホちゃんは全てを理解したかのように

「パパ バイバイ」





妹のユイちゃんはずっと泣いていました。



最低だ



こんな子たちを傷つけるなんて…。





私が鞭の話をアップしたり、鞭が許せないのはこの出来事が理由です。

 



私がした失敗は他の人にはして欲しくない。





多分私の人生で一番辛い別れだったと思います。




自分が何を知って、何を知らないのか。

これから今まで知らないことで誰かを傷つけたりしないのか。



私はエホバの証人が嫌だから辞めただけ。


裁定が嫌だから反対しただけ。


教えが正しいのかなんてわからなかった。




自分の知っている常識は世間の常識じゃない?




私にはこの時まだ外れ切っていたと思っていた箍とは違い、エホバの証人の教えという殻があり、今回の出来事でヒビが入った所でした。



心の底、根っこの部分にまだ張り付いているエホバの証人の教えを抜き取らないといけない!




そう思いました。




私は毒消しの為の行動を始めます。




今回は特に自分のみっともない部分をさらけ出してますが、失敗あっての人生。

やり直します。



シホちゃん ユイちゃん Aちゃん 今幸せにしてるかな。

幸せにしてたらいいな。

今でも忘れたりなんかしません。



ちょうどポルノグラフティのミュージックアワーって曲が街で流れていた頃

今でもこの曲を聞くと当時を思い出します。


ではまた次回!