晴れ「喪失」森村誠一著より。ビー携帯びっくり2

これもこの本の中の一つ「地球から逃げた猫」という短編からのものだったが、たまたまケータイについて触れられていた。何となく頷ける言葉だ。

主人公の刑事も当然ながら携帯をもっている。オフのときはよく散歩するらしい。しかもどこに行くときも携帯は絶対に忘れなかった。つまり紐付きのオフだという。

きっと多くの人が同じようなものだろう。しかも、自分では紐付きという意識さえないのかもしれない。むしろ自分から紐を付けているのだろう。私も同じだが。

ここには「すべての人間が携帯を“携帯”しているので、みななんらかの紐付きといえよう」、「武士が刀を忘れないように、携帯は彼の体の一部になっている」などとも書かれていた。

だから、むしろ携帯を所持していないと「山間離島にでも隔離されたように不安になってしまう。」これを携帯シンドロームと呼んでいたのだ。心理的な問題だろうが。

最近ではむしろこの中にかなり多くの個人通信、交友情報が含まれているのがさらに一層シンドローム化しているのではないだろうか。相撲の八百長問題もこのケータイから多くの情報が証拠として読みとられていたし・・・。