筆者が大学でモデル授業を行った際に「ブランドってなんだろう」ということについて学生たちと一緒に考えることにした。その際に使ったのがカレーだった。実際にただのありふれたカレーを用意して、食べたい人?と言った時には誰も特別な興味を示さなかった。
次に一人の年配の女性を登場させ、「このカレーを作った人です」と紹介したのだった。しかもかなり前から同じこのカレーを作っているという。小山氏とのやり取りで、家族で誰が一番このカレーが好きかと問えば、次男だとの返答だった。
そしてその次男はいまアメリカにいるとのことだった。いろいろな質問からこの女性の名前は鈴木と言って息子は野球をやっているとのことがわかった。
そして、小山氏は「こちらはイチロー選手のお母さんで、『世界一、おふくろのカレーが好きだ』といったそのカレーを作ってもらった」とタネ明かしをしたのだ。それから、「このカレーを食べてみたい人いますか?」と言うと今度はすごい勢いで手が挙がったという。
要するにカレーの物語に共感したり感情移入したからこそ食べたくなったのだった。つまりこれが「ブランディング」でもあったのだ。外見は同じように見えても、よく知っているマークやロゴを見つけると、その商品が輝いて見えたりするもの。それが製品の信用でありブランドだったのだ。