晴れ「トップ・プロデューサーの仕事術」梶山寿子著より。笑顔日本映画

テレビ局の強みを活かす映画づくりの先駆者といわれる亀山千広さんの言葉だった。彼は人気テレビドラマを映画化し、大々的にプロモーションをかけるという方法をとったのだ。それは『踊る大捜査線」のシリーズで確立していた。

亀山さんの分析では、ヒットの鍵は親しみやすさにあったようだ。しかも、シネコンが普及した現在では、映画はお手軽なエンターテイメントとなっている。映画館の顧客は肩の凝らない娯楽作品を求めるようになってきている。

そこで、テレビで高視聴率を上げたテレビドラマは間違いなく映画でも当たる。すでに、いま公開中の映画でも同様の視点のものもある。また、企画では30文字程度で語れるようなわかりやすいコンセプトを考えることがプロデューサーの役目だと考えている。

『踊る大捜査線』のコンセプトは、「サラリーマン刑事(デカ)」だったという。警察官もサラリーマン、公務員で、刑事ドラマに出てくるようなヒーローではない、という発想だったのだ。

いずれにしても、企画は短くてきっちりとその主旨が伝わればいいのだな。そのメッセージがしっかりしたものは「商品」になりえるということだろうな。この考えはいろいろなものにも当てはまるだろう。