高橋尚子さんの選手時代のことを語っていたが、プラスマイナス2秒とは1キロを走ってのことだった。それが3,4秒違ってくると実に厳かったようだ。コーチに「4分ペースで40キロをひっぱって」といった場合の許せる範囲がプラスマイナス2秒だったのだ。
「命をかけて練習しているんだから、ちゃんとひっぱって!」というくらいストイックだったという。というのも3,4秒の違いだと40キロ走っていれば1,2分も変わってきてしまうからだった。
確かに計算上ではそうだろうが、それだけ自分に対して厳しかったということだ。しかし合宿中に自分でそれをクリアー出来きず眠れない状態が続いたという。
結局そのプラスマイナス2秒という範囲で走れないことで、現役引退を決意したようだ。自分らしくない走り方では妥協できなかったのだ。その後解説の仕事をしてから、ほかの選手のインタビューをして高橋さんは驚いたことがあった。
それは自分が大会の前には相当の距離を走っていたことに気付いたからだった。自身は本番前には40キロを12,3本走るのが当たり前だったという。
ところが、よく走っている選手でも4本ぐらいだったようだ。振り返ってみて「もっと自分に甘くてもよかったのかなぁ」と語る。夢中になってやっていると、たとえそれが厳しくても当たり前になってしまうものかな・・・