晴れ「人を10分ひきつける話す力」齋藤孝著より。ハート目マル

それにしても、この一冊からはいろいろと学べることが多い。受けるネタは、聞き手を「ほぅ」と納得させるか、「ハハハ」と笑わせることができるものだと、齋藤氏は述べている。

そこで、話の名手として永六輔さんを引き合いに出している。永さんの話にはオチがあるという。しかもおトク感まで演出されているのだ。おトクとは聞いていて新しい知識を得られたということだろう。

永さんが、作家の井上ひさしのことを語っている部分があった。「井上ひさしという友だちがいます。彼がいちばん大事にしているのは、“難しいことを面白く、面白いことを深く、深いことを易しく”で、これが物を書く時の大前提なんです。彼はそういうことを考えているから、原稿が遅くなるんです。(笑)」

と、こんなふうにほとんど前置きなしで話しはじめている。“難しいことを面白く~~”の部分は永さんが直接井上ひさしに聞いて得た知識を話しているのかもしれない。話している様子が目に浮かぶようだ。話にサービス精神があれば、聞いているほうも楽しいに違いない。