雨「朝日新聞、土曜版」2008.9.13付けより。ラーメンお札

これは“ばらんすシート”というコーナーで歌手・女優の森公美子さんが語っていたところで目にしたタイトルだった。もともと森さんは資産家の家に育って、お金には苦労したことがなかったようだ。しかし、オペラ歌手を目指して東京の音大で勉強していた時、親にミュージカル女優になりたいと言ったら怒られて、仕送りを止められてしまったという。

仕方なくアルバイトを始めて、残っていたお金の一部で買ったのが“食べられる野草の本”(5千円)だったという。何十年前か分からないが、5000円もあれば節約すればかなりの食費に匹敵しただろう。しかし、そんな中でも豪華本を買ってしまう勇気がすごい。

困っていてもそんな本を買ってしまえるところが、彼女の個性なのだろう。後に、そのことをネタに何十年も笑いをとってこられたから、無駄遣いではなかったと述懐している。私も財布が空っぽになってしまうくらい使い切ってしまうことはよくあるが、ほとんど無駄遣いかな。

2年前にご主人が交通事故に遭って、生死の境をさまよって、今でも重い障害が残っているようだ。それを機に、のちのち思い出に残るような買い物を意識するようになっているらしい。これも、学生時代に買った贅沢な本が無駄ではなかったことが身にしみているのだろうか。