曇「プレジデント」2008.8.4号より。ビールジュースコーヒー

現アサヒビール社長の荻田伍氏が2002年当時、赤字続きだったアサヒ飲料へ行くよう命じられた。その時苦しい状況を打開するために、仲間とともに考え抜いたことが上記フレーズだった。

しかし、言葉で伝えたところでなかなか人は動くものではない。そこで、苦境に陥ったメーカーを立て直すのは、何をおいても商品だと悟ったのだ。それは二十数年前にアサヒビールが経験したことが生きている。

「コクキレビール」「スーパードライ」の大ヒットで息を吹き返していたからだ。アサヒ飲料では、主力商品の缶コーヒーを立て直すことが劣性を挽回できると考えたのだ。

そして、「ワンダ」を再生することにした。調査の結果、缶コーヒーの四割以上は朝飲まれていることがわかった。だったら、朝飲まれるコーヒーをつくろうということになった。そのかわり昼間、夕方に飲まれなくてもいいと思ったという。

朝飲まれることを強調しようと決めて、新商品は「ワンダモーニングショット」として売り出し、市場でも好評を博しているという。つまり、このヒットで現場にも活気が戻りアサヒ飲料は正のサイクルに入ることができた。

時には常識では考えられない、思いきった決断がその後の苦境を打開することもあることがわかってくる。そして何よりも小さな成功体験の力が大きいことがうかがえる。