笑顔 「道具にヒミツあり」小関智弘著より。ロケット

これだけなら、かつてヒットしたCM「亭主元気で留守がいい」というフレーズを連想してしまう。きっとうちでも言われていることだろう。(それはお互いさまかもしれないが。)

ところで、これはなんとファスナーのことだった。この部品のようなものも道具というジャンルに入るらしい。チャックともジッパーとも呼ばれている。あまりに日常化したものだからこそ、そのありがたみを忘れてしまっている。

全世界のファスナー生産量の50%を占める代表的メーカーといえばYKKだ。実にすごいシェアーでもある。町工場から出発した工場だったが、YKKグループとして世界70か国に120社、従業員4万1千名を超える会社に成長していた。

またファスナーの強度も強くいろいろな所にも使われていたのだ。サーファーや漁業用のウェットスーツ、人工芝をつなぐ、サーカスなどのイベント会場になるエアーテントなど。

1969年7月20日、アポロ11号が人類史上はじめて、月面に着陸したときの宇宙服の気密ファスナーもYKKがつくっていたとある。また変わったところでは青函トンネルでも、絶対に水の漏れないファスナーが使われているという。

日常では財布やバッグ、ズボンなどで何気なく毎日のように使っている。ズボンのファスナーテストには1万回の開閉を繰り返すという。実に便利でありがたいもの。そういえば、チャックというのは日本の巾着(袋)をもじった造語だとか。