
「さんずいあそび」
筆者はもともと劇作家であるから、「渋」という漢字から役者のことをとっさに連想したのかもしれない。これは「渋い二枚目」とか「渋い脇役」というように使われる。
一般的には「渋い」は地味であったり、くすんでいたり負の印象が与えるもの。しかし、役者の場合はそうではなくむしろその逆だった。単なる「二枚目」より「渋い二枚目」といわれたほうが、役者としては重々しさや味わいのようなものを付与された気がして喜ぶらしい。
これは、「いい男」よりも「苦みばしったいい男」という言い方と同じようなものになる。また「渋い~」は、ほぼイコールで「いぶし銀のような~」ということにもなるだろう。この「いぶし銀」には「輝きでは勝負するつもりはないよ」という決意表明がある、と別役氏は述べている。実に面白い。要するに派手さでは対抗しないということだ。
そこで思い出すのは、かつてジャイアンツ時代に犠打で世界一を達成した川相選手のことだった。その後現役続行を希望してドラゴンズに移籍してからも記録を伸ばし続けていた。
彼の場合は体力的にも打点や打率では勝負せず、自らをもっとも活かせる道を犠打と決めてそれを徹底して追求した結果、世界一に到達できたのだろう。いぶし銀とはいえ、その時はピカピカに輝いていたな。
なんだか、思い出しながら書いているうちに、役者の話から野球選手の話題になってしまった。いずれにしても、実力でファンをつかみパフォーマンスが大事な人気商売にはちがいない・・・かも。