「日経新聞、夕刊」2006.12.18付けより。

これは「失敗学」の創始者といわれる畑村洋太郎氏(工学院大学教授)が述べていることだった。よく、ノウハウ本にはこうして成功した、うまく行ったというような体験談や実例が多く書かれている。

しかし、その通り自分がやったからといって、うまく行かず、かえって失敗することのほうが多いのではないだろうか。それは“その人だから”成功したということもあるだろう。人という条件が異なれば、結果も異なるのは当然かもしれない。

筆者は学生に失敗の実例を紹介するととたんに熱心に聴き入ったという。これは以前私がある企業コンサルタントから聞いた話とも一致している。その人は講演会で企業の倒産の実例をテーマに話をしたところ、参加者は実に熱心に聞き盛り上がったという。

こうすればうまくいくという話しよりも、こうすると不具合が起きたり失敗するという実例はやはり興味深い。そこから学べることのほうが成功の実例よりは多いかもしれない。

うまくいった話ばかりのなかには、かなり誇張されたり脚色されたりしていることもありそうだし・・・