PRESIDENT2006.4.3より。

この雑誌には実質2ページほどだが、興味深いルポが掲載されていた。Oさん(40歳)は元車のトップセールスマン。この雑誌の編集部は彼にスーパーの店頭で納豆を売ってもらうことにしたのだ。

通常納豆は1個(3パック入り)で、100円前後が相場。だが、彼に挑戦してもらう「コラ納豆」は1個(2パック入り)で148円と高めの設定だった。コラーゲン入りだから高くなっている。

ふつう1人が一日売っても12個程度らしい。結果的には、Oさんは約3時間あまりで57個(114パック)売ってしまったのだ。並みの営業マンの実に「6倍弱」。やはりトップセールスマンの実力のようだ。

それにはいくつかの理由があった。彼はターゲットを絞って声をかけている。夫婦なら夫人のほう。男性なら年配だけ。30~40代の男性には1人も声をかけていない。また、事前に3つのテーマを考えていたのだ。

1.瞬間的にニーズを探る。金額で決めているか、商品を探しているか。
2.コラーゲンという切り口。→お肌つるつるというキーワードを使ったこと。→笑い。
3.欲しくさせること。ほかより高くても、それだけのものは得られると納得してもらう。

彼は確かにスゴイ。そこで、私はこんなことも考えてみた。車や住宅といった大型で高額商品を扱っているトップセールスなら、確かにそれだけのスキルで小物なら売れるかもしれない。

しかし、逆に元々惣菜や菓子など単価の低い商品を販売をしている優秀な販売員だったらどうだろう。車や住宅といった大型で高額の商品になった場合、そう簡単には結果は出せるとは思えないが。

まず、売る以前の問題がある。ターゲットを探すだけでもかなりの苦労は伴ないそうだし・・・