『ずっと。ず~っと、ね?ティアラ♡ ママとティアラは、ずっと一緒・だ・よ?』
.....始まったな。
蕩けるようなカミサンの声が、居間から仕事部屋へ突き抜けてきます。
タバサを亡くし、ロワが来てから1年。
.....そもそも。
1996年にタバサは足を悪くしてしまって、とても異種共存は望めなかったので、僕らはずっと『ニンゲン2人とネコ1匹』でした。
タバサと3人の暮らしを嫌だと思ったことはありません。
『初めてネコと暮らすのに、こんな理想的な子は居ない!』.....と。カミサンが太鼓判を押すくらい、タバサは『犬みたいな変な子(カミサン曰く)』だったみたいです。
『呼べば来る』
『人(赤の他人で初対面も含む)なつこい』
『お座りというとちゃんと座る』
うう~ん。当たり前だと思うんだが.....犬なら、なんだよな。多分。
カミサンは最初はおっかなびっくり・今では威厳を持ってロワを可愛がっています、が。
何だか遠い眼をしてボンヤリとなでているのを見ると。
ネコが足りてないんだなぁ、と思う毎日でした。
そんなある日。
『ネコとは、貰ってくるものだ」というカミサン理論にのっとって、街の『貰って下さい』ポスターに注目していた僕に、1匹の雄ネコが飛び込んできました。
これは、貰ってきてから2日めくらいのティアラ。
ポスターはもうお見せできませんが、その画像は。仰向けで手をまっすぐこちらへ伸ばし、まるで
『抱っこ~』
をねだっているような。
それより何より、その顔立ちのあまりの可愛らしさに。
タバサを選んだ僕の審美眼が、
『この子だ!!!』
って、叫んだんです。
.....なのに。
『だってオトコノコでしょ?』
ああ。いくらタバサと、彼女とラブラブだったからって。
『オンナノコはおっとりしていて一緒に生活しやすいです』
たしかに、物の本にはそう書いてあるよね。
筋金入りのネコ好きが、性別を基準にしてどうする!
『気に入らなければ、別に引き取る義務があるわけじゃないんだし。先方も”会うだけあってみてください”って言ってくれてるよ?明日ちょっと行ってみようよ、ね?』
ああ、何だかロワの時にもこんな、宥めるような言い包めるような会話をしたような.....。
強烈なジャメヴをスルーして、『ティアラ(その時はまだ命名前)ゲット作戦』を、僕は強行したのでした。


