ネイティブアメリカンの聖地であった、ボルテックスというパワースポットで有名なセドナ。今では、ネイティブアメリカンは一人も見かけない。白人がほとんどである。
フェニックス空港から、レンタカーを借りて2時間ほど運転して到着したのは
レッドロックに囲まれ、ギャラリーやスピリチュアルなお店が点在する美しい小さな街、セドナ。朝から夕方まで気温が40度という砂漠の気候。
夕食をとった、カジュアルなアメリカ料理のお店のウェイターさんもまるでサイキックのようだ。息子の飲み物を注文しようとすると、
「知ってるよ。何が飲みたいか。ちょっと待ってて。」
と言って、メニューも見せず中に入っていき、コカコーラのような飲み物を持って来て「はいどうぞ。」と自信満々。息子の反応も見ずに去っていく。
息子はいつもは健康に良くないと飲ませてもらえないコカコーラが出てきたと思い、大喜び、だがその飲み物はコーラではなくルートビールというアルコールのはいていないハーブの効いたアメリカの炭酸飲料であった。「美味しい!」と満足気。
私もワインを注文しようとすると「知っているよ。君が何を飲みたいか。」と言って、私の注文も聞かず、また奥に入って赤ワインを持ってきた。
出されたワインを半信半疑で飲んでみると、なんと美味しいこと!!
これは何?と聞くと私の大好きな品種「マルベック」であった。しかも安い!
感動していると、隣のテーブルに座っていた大きなアメリカ人女性は、
「これは、私の好みじゃないわ!ソーベニオンブランを頂戴!」と突き返していた。
きっと同じようにされたのだろう。
でもそのウェイターは「こんなこともたまにはあるさ。」と謝ることもなく、明るい。
アメリカサイズの一皿をたいらげお腹がはちきれそうなとところに、
またまた自信満々に「デザートは、これだね。」
と勧められたが、さすがに断った。
店を出て、重たいバッグを片方の肩にかけて歩いていると、「リュックサックのように両方にかけたほうがいいよ。体のバランスが取れるだけでなく、心のバランスも取れるんだよ。」と道行く人が教えてくれた。
なんだか、面白そうな街だ。
これから、どんな出会いがあるか楽しみだ。