昨日の雨風で、ソメイヨシノはすっかり落ちたと思っていた。
久しぶりの青空なので、花筏でも撮ろうと八幡様まで出かけたのだ。
鎌倉人としては、八幡様の桜を見ないことには桜を見た気にならない。
と、参道の段葛が満開のまま。びっくりしてしまった。
源氏池の桜も咲き誇っていた。
良い写真が撮れなかったので割愛して、平家池の花筏と、太鼓橋(立ち入り禁止だが)から見る段葛の桜。
とはいえ、花はしたたかに落ちたらしく、証拠の写真。段葛で。
山桜もまだこんなに綺麗だが、望遠で撮らなかったので画質が荒くなった。なので小さくする。
おしまい、というわけにもいくまいから古い本を引っ張り出して紹介する。
梅棹忠夫は誰でも知っている大学者だが、昭和30年(1955年)にアフガニスタンに出かけた。
ジンギスカンが世界を征服したとき、この地にとどまったモンゴル人がいて、その子孫を現地では「モゴール人」と呼んでいるそうだ。
遊牧生活を捨てて農耕民となった彼らは中世モンゴル語を喋るというので、斯界の権威、岩村忍先生を始め、多くの日本人学者が参加したフィールドワークだった。
そのモゴール人を探す旅を一般読者向けに記したのが「モゴール族探検記」。
昭和31年に岩波書店から出版されていて、写真は古本屋で見つけた初版本。
西域好きというのはこうした本にまで手が伸びるのだ(笑)。
結論から言うと、日常的にモゴール語を喋るモゴール人に出会うことはできず、ただいくつかの単語を覚えているモゴール人に出会うことが出来、採集してきたということだった。
梅棹先生の文章は現地の風景描写が素晴らしく、西域ファンなら感動せざるを得ない。
正確に言うと、この地はシルクロードから外れた山岳地帯なので、この辺の古代史ファンということになるのだけど。
何しろ、紀元前4世紀、アレキサンダー大王は現在のアフガニスタンの一部まで遠征し征服したのだから。
彼が愛したロクサーヌはこの地で手に入れたのだ。
ヘレニズムと言われるガンダーラ美術は、この地で誕生したのだ。
人種の入り乱れた地だが、人種による偏見はなく、部族社会なので、部族間の差別や争いごとは絶えないという。
この本を読めば、旧ソ連や米国が最新兵器で攻めてきても最終的に敗退せざるを得なかったのが良く分かる。
200ページの本なので、帰宅してから2時間で再読した。
初めての人なら、地図を調べないとイメージが湧いてこないのでもう少しかかると思うが、それでも4時間もあれば読み終えられる。
お勧めの1冊。
ポリスと言えば、ロックファンなら誰でも知っている大スター。
彼らのデビューアルバムに収録されていたのが「ロクサーヌ」だ。
ロマン溢れる古代に思いを馳せながら聴きましょう(一応断っておくと、アレキサンダーが愛したロクサーヌとは何の関係もない・・笑)。