知らなかったけど、一発で気に入った日本のバンド・・The Collectors | 洋楽と脳の不思議ワールド

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マイナーな60年代ビートミュージック。駄洒落小話。写真と読書感想がメインのブログです。

 

 

 

宮城谷昌光さんのエッセイ「史記の風景」(新潮文庫、平成12年)を読んでいたら、「『史記』のなかの人物は、はげしく喜び、はげしく怒る。大いに哀しみ、大いに楽しむ。そういう感情の起伏の大きさはじつは人間の原点にあったものであろう」と述べ、現代人はそこからすこしかけ離れたところにいる」という個所にぶつかった。

 

たしかに現代人も人間である以上「喜怒哀楽」のなかにあるが、古代人とはその総量が違うようだ。

 

司馬遼太郎は「飛ぶが如く」のなかで、西郷隆盛を「巨大な感情の塊」と表現していて、他人の境遇に対して「わがことのように喜び、わがことのように怒り、わがことのように哀しみ、我がことのように楽しむ」人物として描いている。

ただし、どんなに怒ったとしても、殺人をしたことはない。

現代人にもボクのように西郷好きが多いのは、司馬さんが指摘するところにあるのだろうと思う。

ある意味、西郷隆盛という人は「現代人」ではない。

 

西郷隆盛よりも坂本龍馬の人気が高くなったのは、龍馬が「現代人」だからだと思っている。つまり分かりやすい分だけ、かっこよく見えるのだ。

 

 

生き返ってからというものボクの感情は、「平板」になったように感じる。

以前のように怒ることや、喜びや憎しみの感情が、数量的にがくんと落ちたからだ。

 

ペットを飼っている人なら分かると思うが、犬猫にだって感情がある。

ただ人間とは総量が違う。

 

そのせいだろう。

野生の動物に懐かれることが多くなった。

怖がらないのだ。

平気で近寄ってくる。

 

庭木に蜜柑を刺しておくと、ヒヨとメジロがかわりがわりにやって来る。

同じ餌場なので、縄張りを侵されたと思ってか、ヒヨがメジロを見つけると威嚇するが、殺しはしないし、同じ餌をつついている。

 

庭にお米を撒くと、鳩と雀の出番で、こちらは仲良く食べあっている。

 

今年からアオジが加わった。

警戒心の強い鳥で、ボクの姿をちらと見ただけで逃げて行ったが、今年からおねだりするようになった。

どうやらますます人外に近づいたようだ(笑)

 

 

 

 

 

ボクの音楽の出発点はビートルズなので、邦楽を聴くことはほとんどなかった。

先日大阪のバンド Neatbeats をアップしたとき、Colllectors というバンドを知った。

92年ともなると違和感なく日本語をロックのリズに乗せていて、一発で気に入った。

その気に入った「恋はヒートウェーヴ」です。

 

 

 
 
50年代末から60年代中ばまで英国に Mods という若者の風俗があった。
その一つの特徴は、誰よりも早く新しい音楽を見つけて、一晩中踊り明かすことで、ノーザン・ソウル、R&B、スカ、オルガンジャズなどが好物だった。
最盛期は60年代前半だ。
後年「モッズバンド」という言葉が生まれたので、「モッズ」という音楽ジャンルがあったように錯覚する人もいると思うが。それは間違い。
ただし、日本では音楽ジャンルのひとつと捉える向きがあるのかもしれない。
ボクは日本語の音楽メディアと縁を切って半世紀になるので、たしかな事は知らない。
 
Heat Wave は、原曲はモッズが大好きなノーザン・ソウルの Martha & Vandellas。
 
このコレクターズの Heat Wave、最初は時代的に考えてポール・ウェラーのいたジャムのヴァージョンかなと思ったら違っていた。
ジャムはパンクとして登場してきたので、日本語のウィキを見たら、そう捉えるべきだとあったが、ボクはネオモッズとして捉えたい。
70年代後半~80年代初めのネオモッズは、風俗であると同時に音楽用語でもある。
そして音楽的にはパンクもネオモッズも違いはない。
違いはパンクファッションかモッズファッションかだけだ。
 
コレクターズがお手本にしたのは、フーのヴァージョン(レコード収録は66年)のようだ。
 
 
一応、タワーレコードのインフォからコレクターズの紹介です。
 
日本のロック・バンド。メンバーは加藤ひさし(vo)、古市コータロー(g)、山森“JEFF”正之(b)、古沢“cozi”岳之(ds)の4名。名前はテレンス・スタンプ主演映画『コレクター』に由来。1986年に加藤、古市を中心に結成し、翌87年にアルバム『僕はコレクター』でデビュー。以来、ブリティッシュ・ビート、サイケ・ロック、モッズ・スタイルを日本流に解釈した作風で支持を得て、精力的なライヴでも人気を博す。2017年1月より現体制へ移行。翌年には初のドキュメンタリー映画も公開。2020年の『別世界旅行~A Trip in Any Other World~』までアルバム24枚をリリース。