お臍の話・・The Dirty Mac (Rolling Stones Rock and | 洋楽と脳の不思議ワールド

洋楽と脳の不思議ワールド

マイナーな60年代ビートミュージック。駄洒落小話。写真と読書感想がメインのブログです。

曇天の日は気が重い。

晴天の日は木が乾燥する。

紀文が高揚するとはんぺんを食いたくなる。

エビ天にすると天婦羅だ。

イカ天なら「たま」だ。

 

暗く垂れこめた曇り空を撮ろうと海へ出かけた。

垂れ下がった雲の尾が海に触れ、雨のしずくとなって滴り落ちる、そんな瞬間を撮りたかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

時を忘れてシャッターを押し続けていたら、雨足が音を立てて近づいて来る。

慌てて民家の軒先に避難して雨宿りすると、するすると戸障子が開き、「どうぞ中でお待ちあそばせ。濡れますわ」と妙齢のご婦人がボクを手招きしてくれる。

神々しいまでに美しい女人に誘われて、断るのは野暮天だ。

気もそぞろにお礼を言って中に入ると、「どうぞ、お上がりなって」と、天にも昇らんばかりの有難いお言葉。

「雨が上がるまで、ささ~ま、どうぞ~」と酒(ささ)をお酌してくれる。

美しい女人を相手に飲む酒は旨い。

1本が2本、2本が3本・・・となって10本も飲んだろうか。

雨はまだ止みそうにない。

ふと漏らした一言が命取りになった。

「雨がやまねえと帰け)えれねえなあ・・」

「まあなんてつれないお言葉。あたしを残してお帰りになるだなんて。あなた様をひと目見た時からこんなにお慕い申し上げているのに」

よよよ~と泣き崩れ、たもとで隠すあだ涙。

感極まったボクは「いやさ、どこへも行くものか。お前(めえ)さんと夫婦(めをと)になって、天にあっては比翼の鳥となり、地にあっては連理の枝になりましょうぞ」と彼女をひしと抱きしめようとしたそのときだ。

がらがらがらがら~と轟音がして雷が落ち、戸が開いた。

「かあちゃん、今夜の肴を手に入れてくれたか」と雷様が立っていた。

「あんた。ご馳走だよ。採れたての臍だからね」

天女とばかり思っていた彼女の振り向いた顔。

眼には瞋恚(しんい)の炎(ほむら)を燃やしてボクの臍を焼き、口は耳元まで裂けた羅刹女の姿だったのだ。

恐怖にかられたボクは思わず知らずお腹を撫でた。

 

へ~、そう~、なんて言うなよ(笑)

 

 

 

 

たまには有名どころを聴きましょう。

ジョン・レノンがキース・リチャード、エリック・クラプトン、ミッチ・ミッチェルを従えて演った Ya Blues です。

 

https://youtu.be/JeFwaWFTGYU