藤原伊織「ダナエ」・・・The Jam | 洋楽と脳の不思議ワールド

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藤原伊織の存命中に刊行された最後の作品。

「ダナエ」「まぼろしの虹」「水母(くらげ)」の3つの短編が収められている。

取り上げたいのは最後の「水母」。



詳細は省くが、かつて辣腕を振るった広告ディレクターが、PCを扱う若いオペレーターにある仕事を頼む。

出来栄えの圧倒的な素晴らしさと若いオペレーターとのやり取りに、主人公は負けたと感じるのだ。

旬を過ぎた、薄汚れた中年男の自分ではなく、溌剌とした、こうした若い才能がクリエイティヴな世界の担い手なんだと。


若い頃、華やかな世界に身を置いた人間ほど、圧倒的な力で打ちのめされる。

元電通マン作家だけに、じんわりとした悲哀が淡々と染み入る描写で、泣かせる。

(実はこれは枝葉の部分。ボクはこうした枝葉に異常に感動する性質(たち)なのだ。)



単行本は2007年、文庫は2009年。

積読していたので、思い出して読み始めたら、あまりの面白さに一気読みだった。























野薔薇。

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薔薇と菖蒲(あやめ)

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ジャムが登場した頃、評判になったので名前は知っていたが、ロックとは縁を切っていた時代なので聴かずに終わった。

ブログを始めて、Uなるものを教わってから聴きはじめたら、滅茶苦茶いいじゃないか。


本当は Studio Demos 1975 & 1976 という47分もある投稿を貼りたかったんだけど、いくらなんでも長すぎる。

しかし、有名なジャムとは一味違って、デビュー前はこんな音を演っていたのかとびっくりする。

一応アドレスを貼っておくがパスしてもらって構わない。




代わりに78年の4枚目のシングル News Of The World をどうぞ。