ジャズヴォーカルの新星・・牧野竜太郎・・RM | 洋楽と脳の不思議ワールド

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この7月2日にCDデヴューしたばかりの牧野竜太郎「RM」は素晴らしい。
声質は平井堅に近いところがあって(ほぼ同じ声域、黒いフィーリング)同じように艶があり、しかし決定的に違うのはこちらの方が男性的、何よりも力強いのだ。
おまけに中田英寿ばりのハンサム。
普通なら今流行りの黒いポップスに向かうはずなのに、ジャズへ流れるというのが嬉しい。
初版プレスが1週間で売りきれたそうだが納得なのだ。
映像は見つからなかったけれど、試聴できるので下記よりどうぞ。


トップを飾るのがスタンダードの Day By Day。
この曲を十八番にしていたシナトラとつい比較してしまいそうになるんだけど、アプローチが違うので無意味。
竜太郎解釈の「デイ・バイ・デイ」を楽しめばいいのだ。
ジャズアルバムと分類されているんだけど、いかにもジャズを感じさせるのはこの最初の曲のほかは4曲目の It Had To Be You と、6曲目のデュ―ク・エリントンの It Don't Mean A Thing,7曲目の Crazy She Calls Me の5曲のみ。
他はもっとポップな音を取り入れており、エルトン・ジョンの Your Song(懐かしい!)、九ちゃんの Sukiyaki(MP5ヴァージョン)、バリー・マニロウの Say No More(スロー・ナンバー、初めて聴く。しっとりと歌い上げて女性ファンなら胸キュンとなりそう)、徳永英明の「君の青」(この人名前しか知らないんです。スミマセン)をカバーしている。
ポップといっても、ジャズ畑の人が歌うと一味違ってくるので、その違いはうまく説明できないので聞き比べてもらうしかないんだけど、ジャズフィーリングの流れたポップソング。
残り4曲は牧野竜太郎自身のオリジナル曲で1曲を除き、英語詩。
高校・大学とアメリカで暮らしていたそうで、英語の歌は安心して聴ける。
日本語の歌詞は徳永の曲のほか、自身の「ずっと」で、ポップ感覚全開のバラード。
シングルカットしたらヒットチャートを走るんじゃないかと思う。
ソング・ライティングの才能も相当なもので、4曲とも素晴らしいの一言。
79年生まれというから今年29歳になる訳で、遅咲きのデヴューになるんだろうけど、05年から東京・横浜を中心に精力的にライヴ活動を行っており、実力がしっかりしているので、追っかけるなら今です。
ジャズと聴いただけで煙ったい顔をするポップスファンにこそ聴いて欲しい1枚だと思う。
ビー・エム・ドット・スリーというインディレーベルからの発売。
収録曲を上げておくと、

1, Day By Day
2, La,La,La(オリジナル、ジャズナンバー)
3, True Love(オリジナル、バラード)
4, It Hard To Be You
5, Your Song
6, It Don't Mean A Thing
7, Crazy She Calls Me
8, 君の青
9, Say No More
10, Sukiyaki
11, ずっと(オリジナル、バラード)
12, You(オリジナル、ジャズナンバー)