猫の慢性瞬膜腺炎 | 昭和動物病院Blog

昭和動物病院Blog

山梨県昭和町の昭和動物病院のBlogです。
症例や様々なことをアップしています。

何ヶ月もなおらない膿性眼脂の主訴で来院されました。
動物には、第三眼瞼といわれる瞬膜があります。この膜は、眼の内側の鼻側にありワイパーのように動きます。主な役目は、涙の分泌と免疫機能です。
この子は、それが、腫上がっていました。
そして、気にするあまり眼をこすって角膜に傷を付けたり、細菌感染を起こして膿性眼脂をたくさん分泌していたのです。
ここが、腫上がる原因には、細菌感染・ウイルス感染・異物・寄生虫・外傷などが様々考えられます。
まずは第三眼瞼の内側にどのような変化が起きているかを探るため、全身麻酔にて精査しました。

仙吉2仙吉初診
内側は、ボクボクとイチゴ状に腫上がっていました。
瞬膜腺自体も腫上がっています。寄生虫や、異物などは、ありませんでした。
細胞診をすると、好中球のほかに多量のリンパ球が検出されました。
リンパ球は、免疫組織なので特に問題ありません。また血液検査ですが、生化学検査では、特に問題なく猫AIDS・猫白血病もともに陰性でした。
よって、慢性炎症による瞬膜腺炎と暫定診断し、更に角膜に浅い潰瘍もあったことから、炎症~免疫抑制量くらいのステロイドを使用しました。
また、ビブラマイシンもかませました。