キットではエンジン内にプラパーツのリングを入れ、これが回る状態(接着しない)で前後のシリンダーを接着する。塗装後にプロペラの軸をエンジン内のリングに差し込んで取り付けるのだが、これだと抵抗が大きく指で回せばプロペラは回転するが、風を当てるだけでは回転しない。
そこで元パーツのプロペラ軸は使わず(切り取る)中心に貫通穴を開け、シルクピンを通してエンジンに刺すことにした。
写真はまだ仮組みですが、一応息を拭きかけるだけで軽く回転するようになりました。
プロペラの回転軸に一発で正しく垂直に貫通穴を開けるのは難しいが、修正は可能。
仮組みしてペラを回転させ、ペラの端が前後にバタバタしていたら傾いている。
プロペラ貫通穴の傾きの修正法
1.仮組みしてペラを回転させながら傾いてる向きが分かるよう印を付けておく。
2.ペラ前の軸の先端を1mmほど輪切りにして短くする、輪切りにしたカケラも使います。
3.傾きが直る方向にドリルや針ヤスリで軸の前から貫通穴を広げる。前はブカブカになってもいいがエンジン側の穴は広げないように。
4.ペラ前の軸に2で輪切りにしたカケラを修正方向にずらして溶剤系接着剤(タミヤ白ブタとか)で再接着。これで前穴のブカブカは解消され穴の傾きも修正される。
5.すぐにエンジンと仮組みして風を当て、プロペラを回してみて傾きがなくなっているかを確認。
直りきってなかったら溶剤系接着剤ならまだ動くはずなので2の輪切りのずらし具合を再調整。
6.調整がうまくいき傾きがなくなっていたらそのまま接着剤の硬化を待つ。その後瞬着で駄目押し。
エンジンはシリンダー全体をMr.カラーの28番(旧)黒鉄色で塗装。
プロペラ軸?主軸?のカバー部分は、8番シルバーにクリアーイエローとスモーク、クリアーオレンジを数滴足して自作したオイル染みっぽいシルバー色にした。調色に使用したクリアー色は全てMr.カラーの旧タイプ(染料系)です。
乾燥後にエナメルの黒で少々スミ入れした。
ちなみに上記の28番(旧)黒鉄色はMr.カラーのフタにハンドルが付いていた時代のもの。Mr.カラーは発売から50年以上と歴史が長く、マイナーチェンジで色調変更された色も多い。ほとんど気付かない程度の色変更や品質改良は常に行われているだろうけど、黒鉄色(C28)の旧品と現行品は、誰が見てもはっきり分かるほど完全に違う色だった。
上写真の真ん中がエンジン塗装に使用した旧28番の黒鉄色、右が現行28番の黒鉄色。
旧品は鉄地肌のイメージでしたが、現行品はガンメタルのイメージに変わり黒味が強くなっている。
注意:使用スプーンは100均のおそらく一番小さいサイズ(小カップの個食ヨーグルト用?)です。
モデラーがSNSでよく色見本にしているスプーンよりかなり小さいスプーンなので、ラメ感が大粒に感じられるかもしれません。使用スプーンが小さいことを差し引いて見て下さい。
カウルの内側をシルバーで塗装後に汚れ色(つや消し黒等)で適当にグラデーション塗装。
機体のバルクヘッド(エンジン取付部の隔壁)はシルバーで塗装後にエナメルの自作クリアーブラウンで滲ませ塗り。周りの黒色はカウルや排気管の奥まった部分を暗く誤魔化すための下塗り。
バルクヘッド部の滲ませ塗りの上からクリアーイエローで重ね塗り、汚れ色を追加調整した。
エンジンを取り付けるとバルクヘッドはかなりの部分隠れます。汚しのお試し塗装はこのように見えにくい所で色々やってみると後で役に立つこともある。失敗してもダメージ少ないしね(笑)
カウルを取り付けると、もうバルクヘッドはほとんど見えません。でも全く見えないわけではなく、正面から覗き込むとバルクヘッドの汚し塗りが少しですがちゃんと見えます。
(二式戦 中島キ-44 鍾馗 ハセガワ 1/72 Nakajima Ki-44 TOJO)
……つづく