こちらに書くのはかなり久々ですが今回は好評発売中のジムニーJB23用の大容量バンプラバーについて選び方や使い方など色々と書いてみたいと思います。
そもそもなぜ大容量にするのか?
まずはゴムの性質から
ゴムの荷重に対する縮む量というのはグラフにすると二次曲線を描きます。
初めは荷重に対し縮む量というのは比例に近いんですが途中からは荷重に対する縮む量が少なくなっていきます。
つまり初めの方は衝撃を吸収しますが縮めば縮むほど衝撃を吸収しにくくなります。
またゴムの特徴として縮むほどに反発する力が増えます。
そこで吸収力を増やすにはどうしたらいいのかって所で大容量化です。
長さを増やして縮む量を増やし、太くして当たり面積を増やして単位面積の荷重を減らします。
具体的に言うと長くなると縮む量が増えて荷重に対して余裕が生まれます。そして当たり面積が増えると力が分散することにより単位面積の荷重が減り縮みにくくなります。
単位面積面積当たりの荷重が減ると縮みにくくなるという部分がちょっと分かりにくいかもですので説明しますと100kgfの荷重が10c㎡に掛かる場合と面積の広い20c㎡に掛かる場合、単位面積当たりそれぞれ10kgf/c㎡と5kgf/c㎡となります。同じ荷重でも面積が大きい方が荷重が小さくなるので縮む量が減ります。
画像で表すとこんなイメージです。
仮に掛かる荷重が100kgfから200kgfに変化した場合
10c㎡の場合は10kgf/c㎡から20kgf/c㎡に20c㎡の場合は5gf/c㎡から10kgf/c㎡荷重が変化します。
グラフで見比べてもらえれば分かりますが受ける面積が小さい10c㎡の方が掛かる荷重の変化量も多くなってしまうのにもかかわらず、縮む量は少なくなっているのが分かるかと思います。
縮む事によって衝撃を吸収しますので単位面積当たりの荷重を小さくした方(面積を増やす)が縮む量に余裕ができるので反発が少なくソフトな部分を使える事になります。
と言った感じで大容量化する事によってソフトに吸収し大きな荷重にも耐えられるようになります。
ノーマル(高さ60mm)と比較して大容量バンプラバーは高さ125mmでノーマルと比べて65mm長く、容量は約5.8倍になります。
右側が純正品ですが写真で見比べると大きさの違いが歴然です。
そして味付けとしてハード(硬度70)、ソフト(硬度60)、スーパーソフト(硬度50)の3種類作りました。
3種類あってどれを選べばいいのか?
ここからは硬さの選択方法を書いていきたいと思います。
走るシチュエーションや車高など使い方はバラバラでそれにプラスして好みもあるので目安として読んで頂ければと思います。
車高がノーマル~60mmアップぐらいの場合は街乗りでもバンプタッチまでの距離が短く当たる頻度も多くなりますので柔らかめがいいかと思いますのでフロントはソフトもしくはスーパーソフトでリアはスーパーソフトの使用がオススメです。
そのまま付けるとホーシングにバンプタッチしたままになる場合はカットがした方がいいです。バンプタッチのまま使用しても良いですが指1本分のクリアランスを開けるぐらいが良いかと思います。
車両から外さなくてもコイルの隙間からカッターを入れてカット可能です。
切って使用するとその分容量が減ってしまいますのでフロントに関しては手間は掛かりますがバンプラバーの取り付け部分の皿を切り取ってスペーサーを介さずに取り付けした方が容量を犠牲にしないでクリアランスを確保する事が可能です。
通常は画像真ん中の皿部分にアルミのスペーサーを入れて取り付けしますが
皿部分を切り取る事により15mm分取り付け部分が上に上がります。
それからノーマル車高では必要無いのではと思われるかもしれませんが積極的にバンプタッチさせることにより、コーナリングを安定させる事ができます。特にノーマルショックは不安定気味ですので効果があります。
あとは好み等ありますので大容量バンプラバーを第2のバネと考えてセッティングしてもらえればいいかと思います。
車高が75mmアップ以上の場合は街乗りメインの方はフロント、リア共にソフトをクロカン等オフロードをメインに付ける場合はフロント、リア共にソフトもしくはしっかりとタイヤの縮みを抑えたいのであればハードを選択しカットしないでそのまま付けるのをオススメします。
高さの調整は衝撃の吸収よりバンプ規制で使用される方が多いと思いますので実際に縮めて当たり具合を確認しながら調整して下さい。
それから車高が高い場合の注意点としましてフロントの場合はコイルの中に取り付けするので曲がったり反れたりしようとしてもコイルに支えられるので良いのですが、リアは何の支えもありませんので斜めにバンプタッチした場合どうしても曲がったり反れたりしてしまう場合があります。
特に5リンクなどホーシングが動きやすい足回りになっているとより斜めに当たるようになります。
長いので力の掛かり方から考えると仕方のない部分ではありますが対策としては短くするしかありません。
でもそれではバンプ規制ができなくなってしまいます。
とそこで先日発売しましたリアバンプ延長ブロックを使用します。
25mmブロック、50mmブロックそれぞれの販売とセットでの販売もしております。
セットで買って頂けれれば25mm、50mm、75mmの3段階で調整が可能になります。
大容量バンプラバーを短く切って使用できるようになり曲がったり反れたりしにくくなりますので安定したバンプタッチが可能になります。
それからリアバンプブロックも有効です。
リアコイルの中に大容量バンプラバーを取りける事ができますのでコイルに支えられて曲がったり反れたりするのを防ぎます。
またWバンプラバーも可能になります。
Wバンプにすることで容量が2倍になります大幅に衝撃の吸収力がアップします。
JSTCなど飛んだり跳ねたりのシチェーションが多い走り方では特に効果的です。
JSTCでは両方ともスーパーソフトがオススメです。
リアに関してはこちらもオススメです。
リア8の字バンプブラケット
こちらは大容量8の字バンプラバーを使用します。
向きも変えれます。
大容量8の字バンプラバーは大容量バンプラバーに比べ曲がったり反れたりしにくくなっておりますのでゴム容量を減らさずに確実に規制したい場合はこちらがオススメです。
市販のされている8の字バンプラバー用スペーサーで高さ調整も可能です。
選ぶ硬さはソフトもしくはスーパーソフトがオススメです。
とここで大容量8の字バンプラバーの話が出てきましたのでそちらも説明します。
大容量8の字バンプラバー
以前よりある定番の8の字バンプラバーはとてもソフトでと言うかソフト過ぎるのでしっかりした物を作ろうという事で製作しました。
高さは従来からの8の字バンプは80mm大容量8の字バンプラバーは100mm
ちなみにノーマルは約40mm
従来からの物は中空部分が多くソフトではあるもののしっかり感はありません。
大容量8の字バンプラバーは中空部分を少なく設計しています。
厚みも1.5倍ほどアップさせています。容量にして約2.4倍のアップです。
取り付け穴を長穴にしていますので取り付け位置の調整も可能です。
従来の物は角部分が当たったりする場合があるので斜めカットした形状にしています。
SJ30~JA11やJB31、JA22のフロントにそのまま取り付け可能です。
こちらもハード(硬度70)、ソフト(硬度60)、スーパーソフト(硬度50)の3種類を用意しました。
上記車種の場合は通常はソフトかスーパーソフトを選んで頂き、よりしっかりと止めたい方はハードを選択して頂ければ良いかと思います。
JA11は軽量なため、スーパーソフトでもしっかりしたバンプタッチになります。
リアにはそのまま付きませんが下記商品で取り付けが可能になります。
リア8の字バンプブラケット JA11用
ホーシングに挟んで取り付けします。
ブラケットの厚みが20mmありますので大容量8の字バンプラバーと合わせるとホーシングからの高さが120mmになります。従来からの8の字の高さが80mm、ノーマルは50mmになりますのでかなり高くできます。
最近ではリーフの構造変更でバンプとフレームとのクリアランスを指定される場合がありますのでスペーサーでの調整が可能になります。
硬さはフロントと同じく通常はソフトかソーパーソフトを選んで頂き、よりしっかりと止めたい方はハードを選択して頂ければ良いかと思います。
リアはフロントより軽量なため柔らかめの硬度を選ぶのがオススメです。
大容量8の字バンプラバーはブラケットを介しJB23のリアに取り付けできると書きましたがフロントにも取り付けが可能です。
フロント8の字バンプブラケット JB23用
フレームに溶接して取り付けします。
フレーム取り付け面はフレームのR面に合うようなR形状にしています。
大容量バンプラバーと大容量8の字バンプラバーでWバンプが可能になります。
リアのWバンプと同じく効果的でオススメです。フロントはホーシングが曲がりやすいのでJSTCに出ている方には特にオススメですと言うかやった方がいいです。
ホーシングが曲がるリスクを大幅に減らせます。
JSTCではどちらもスーパーソフトがオススメです。
長くなりましたが取り付けの参考にしてもらえればと良いかと思います。
大容量バンプラバーは7年前に発売開始し途中形状変更したり低反発の材質にしたりとマイナーチェンジを行ってきました。更に大容量8の字バンプラバーやそれらを取り付けるブラケットなども開発してきました。これからもより良い物へ進化、開発していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
大容量バンプラバーはゴム製品ですので経年劣化がありますので定期的に交換して下さいね。
その際には補修用の単品販売してますのでそちらをご購入下さい。
最後に
ハイエース用の大容量ソフトバンプラバーも開発し販売しております。
ローダウンした車両にも使用可能ですが荷室を架装したキャンピングカーや介護車両、バイクなどを積んだトランスポーター、仕事で普段から荷物を多く積んだ車両などに特にオススメです。
ガツンと言う衝撃が無くなりソフトな乗り心地になります。
上記商品は下記よりご購入いただけます。
ヤフーショッピング
https://store.shopping.yahoo.co.jp/showa-garage/a5d0a5f3a5.html
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