今回ご紹介するムードコーラス曲は、敏いとうとハッピー&ブルーの皆さんの「深夜旅情」です。
この曲を最初に聞いて私が真っ先に思い浮かべたのは、「無印良品の店内BGM」でした。「ムードコーラスと無印良品のBGMなんて天と地ほどの差があるだろう(どちらに優劣があるわけではないが)」と読者諸賢は思われるでしょうが、これが聴いて納得(されるでしょう)。イントロの入りがまさに「無印良品で流れているどこかの国の民族音楽」そのものなのです。
まあ、それはさておき、歌詞の内容に移りますが、曲名で「旅情」と言っている割には、「夜汽車」だったり「夜間飛行」だったりという、「深夜旅情」っぽいワードは出て来ず、どちらかといえば深夜に女性が男性とチョットそこまで出かけている感じ。「(男)遅くなったね(女)今何時?(男)もう、11時だよ」(三浦弘とハニー・シックス『今夜はオールナイトで』より)てな感じ(?)。そこまで遠出はしていません。歌詞の中にも「みじかい女の夜の旅」と出てくるくらいです。
ところで、この曲の中で、「さすが佐々木勉(作詞家)さん!」と思うフレーズが、「私いつまでたっても上手にさよならが言えない だってだって別れるときがいちばん好きになるのよ」…というところ。ハーッ、女心ですね。別れようと思うと、自分の中の無意識の部分でそれを引き留めようとして、彼のいい部分ばかりにスポットライトが当たってしまうのでしょうかね。だからなかなか別れられない。でもいざ別れずにいると「いつでも別れられる」と思って、彼の悪い部分も目に付くようになる。悪い部分が目についてヤッパリ別れよう、と思っても彼のいい部分が…と、堂々巡りですね、これは。ハイ。私の友人にも同じようなことをしている女性がいます。この曲聴かせてあげようかしら。なんつって。
やはりムードコーラスの醍醐味は「女心」ですね。森本英世さん(メインボーカル)の甘い歌声が沁みます。
なかなか実際にこの曲を聴くことは(手段的に)難しいかもしれませんが、気になった方はぜひ聴いてみてください。それでは、さよなら、さよなら、さよなら。
※画像の酒・たばこは撮影用の模造品です。
※たばこの煙の画像:<a href='https://.pngtree.com/so/たばこの煙'>たばこの煙 pngから .pngtree.com/</a>