【公式】SCB昭和文化放送

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今回ご紹介するムードコーラス曲は、敏いとうとハッピー&ブルーの皆さんの「深夜旅情」です。

この曲を最初に聞いて私が真っ先に思い浮かべたのは、「無印良品の店内BGM」でした。「ムードコーラスと無印良品のBGMなんて天と地ほどの差があるだろう(どちらに優劣があるわけではないが)」と読者諸賢は思われるでしょうが、これが聴いて納得(されるでしょう)。イントロの入りがまさに「無印良品で流れているどこかの国の民族音楽」そのものなのです。

まあ、それはさておき、歌詞の内容に移りますが、曲名で「旅情」と言っている割には、「夜汽車」だったり「夜間飛行」だったりという、「深夜旅情」っぽいワードは出て来ず、どちらかといえば深夜に女性が男性とチョットそこまで出かけている感じ。「(男)遅くなったね(女)今何時?(男)もう、11時だよ」(三浦弘とハニー・シックス『今夜はオールナイトで』より)てな感じ(?)。そこまで遠出はしていません。歌詞の中にも「みじかい女の夜の旅」と出てくるくらいです。

ところで、この曲の中で、「さすが佐々木勉(作詞家)さん!」と思うフレーズが、「私いつまでたっても上手にさよならが言えない だってだって別れるときがいちばん好きになるのよ」…というところ。ハーッ、女心ですね。別れようと思うと、自分の中の無意識の部分でそれを引き留めようとして、彼のいい部分ばかりにスポットライトが当たってしまうのでしょうかね。だからなかなか別れられない。でもいざ別れずにいると「いつでも別れられる」と思って、彼の悪い部分も目に付くようになる。悪い部分が目についてヤッパリ別れよう、と思っても彼のいい部分が…と、堂々巡りですね、これは。ハイ。私の友人にも同じようなことをしている女性がいます。この曲聴かせてあげようかしら。なんつって。

やはりムードコーラスの醍醐味は「女心」ですね。森本英世さん(メインボーカル)の甘い歌声が沁みます。

なかなか実際にこの曲を聴くことは(手段的に)難しいかもしれませんが、気になった方はぜひ聴いてみてください。それでは、さよなら、さよなら、さよなら。

 

※画像の酒・たばこは撮影用の模造品です。

※たばこの煙の画像:<a href='https://.pngtree.com/so/たばこの煙'>たばこの煙 pngから .pngtree.com/</a>

ビル追憶型バラエティ「レトロビル史」~フジサワ名店ビル篇~ をYouTubeにて公開しました。ぜひご覧ください!

https://www.youtube.com/watch?v=yxmb0sW5HiM&t=200s

上のリンクからご覧いただけます。

「レトロビル史」で検索して頂いてもご覧いただけると思います。

レトロ好きも、藤沢市民も必見の30分です。

 

 

 

過日、所用のため東京・新宿を訪れた。

用を足すには早く着きすぎたため、なにか暇をつぶす遣り口はないかと思案していると、昔、何かの記事で見た、ある碑のことを思い出した。

携帯電話で調べてみると、その碑は新宿から都営地下鉄で二駅、所要時間にして5分ほどの比較的近い場所にあることが分かった。

交通費は惜しいが、喫茶店に入ってコーヒーの一杯でも頼むよりも安いだろうと思い、都営新宿線の電車に乗った。

揺られること5分。降り立った駅は曙橋駅。

初めて降りる駅だ。

A2出口から地上に出て、携帯電話の地図を頼りに右手に曲がると、広場のような空間が見えてきた。その広場を横断すると、「あけぼのばし通り」と書かれた、昔ながらの商店街のアーチが見えた。

この通りは通称「フジテレビ通り」と呼ばれていたそうだ。

そう、このミニ・トリップの目的地は、旧フジテレビ本社の跡地である。

「フジテレビ通り」を、コクヨの旧ロゴの看板が掲げられている文具店などを横目に見ながら100メートルほど歩くと、その碑は唐突に現れる。

「左 フジテレビ」

「右 あけぼの橋地下鉄驛」

 

おお、これが昔、何かの記事で見た旧フジテレビの案内碑だ!

1997年まで(解体完了は1998年)フジテレビの本社屋がそこにあったことを示す唯一の証拠が目の前に現れたのだ。

商店街の中で、その景色に溶け込んでいる、小さな石碑の写真を一生懸命撮影しているスーツ姿(訳あってスーツ姿だったのです)の大柄な男は、商店街で夕飯の材料を拵える曙橋レディーたちの目には、あるいは学校帰りの女学生たちの目には異様な景色に映ったかもしれないが、そんなことは気にせず、携帯電話で至る方向から写真を撮影した。

 

ああ、ここに昭和の、一番輝いていた時代の(失礼)フジテレビがあったのか。ここから「ドリフ大爆笑」や「夜のヒットスタジオ」や、ウーン、あとは何だろう……まあとにかく、様々な昭和の時代を彩った番組たちが放送されていたのか。昭和テレビマニアの私からすると、まさに聖地。

ところで、いま目の前にあるのはあくまで「案内碑」。本社は案内碑の示す「左」にある。

「左」に進むとそこには「念仏坂」なる、ありがたい名前の坂(というより階段)があり、それを上ると旧フジテレビ社屋跡(といっても何も残っていないが)がある。

何も残っていないとは知っていても、せっかくここまで来て、上らないという選択肢はもはや無かった。

坂(というより階段)を上ると、そこには現代的な高層マンションが我が物顔で建っている。

「ドリフ大爆笑」で、腹がよじれるほど笑った子供たちの姿も、「夜のヒットスタジオ」でスタジオを凍らせたタイマーズの姿もそこには無い。紫色のバス型中継車の姿も、「8」の字のマークの姿もそこには無い。

兵どもが夢の跡。

夕焼けに照らされながら新宿の雑踏へと身を投げた。

 

Fin.