齢75にして初めて油絵を描き始めた。そうして山下清展において、山下清の作品を観てみれば、はじめに予想していたよりも感動した。
鉛筆画は、少年の山下清は絵を描くのが好きで、戯れに描いてみた。
ペン画は、点描画のようなタッチで描かれている。緻密にして整然とした構図が、観る人を心地よくさせる。そしてファンタジーな世界へと誘われる。
ちぎり絵は、例えば『長岡の花火』は、精密にして壮大なスケールの構図。誰もが、圧倒されるかのような感覚に襲われるけれど、描かれているのは、「花火を観に行ったら、大勢に人が集まっていて、花火が美しかったよ」という素直な気持ちであり、誰もが共感を覚えるだろう。
ここにおいて、山下清は、押しも押されぬ山下清となる。
そうして山下清の水彩画は、ペン画のうえに水彩絵の具で色づけしたもの。緻密にして整然とした構図のうえに、繊細にして豊かな色づかいの水彩が施されると、ファンタジーな世界の現出とともに、「ああ、美しい」。夢の世界へと誘われる。
そして油彩画は、形と色がくっきりと鮮明に描かれていて、激しいまでの生命力が感じられる。そのことから派生して、言葉に言い表せないほどの感情が呼び覚まされる。これはもう観ておいてよかったということでは済まされない。それ以上のものがある。
あ、ブログに貼り付けた写真は、会場内の作品は写真撮影禁止なので、山下清の作品の写真はない。これは会場入り口前のロビーに展示販売されているレプリカ。それでも1つ10万円くらいの値がつけられているのだけど・・・。
そして、火山下清絵画展を見終わったときは昼前だったので、県立美術館内のカフェ“さくら”にてランチにした。これを“さくらカフェのナポリタン”というタイトルの絵を描こうかな、などと思いながら・・・。
(オシマイ)