宇土半島の大岳山。

 

枯草の道を歩いている。

 

 

天草の苓北発電所から熊本市へつなぐ高圧電線、鉄塔、もしくは電波塔などの保守点検のために管理道が設けられている。

 

電波塔が撤去されてからは、車が通ることがなくなったのだろう。道は草茫々。制御不能状態になっている。

 

 

12月になり、南阿蘇一の峯の枯野を歩いた。一の峯の枯野は、春先に野焼きが行われ、雑木林にならないよう人の手が施されている。枯野であってもお化粧を施したかのように容姿端麗にして、太陽の光と影が織りなす壮大な高原のパノラマが広がっている。

 

一方、大岳山は鉄塔を管理する道路があるほかは、ほとんど手つかずのありのままの自然に近い。子どもの頃から見慣れた、変わらぬ風景であり、見慣れた草木である。

 

 

その場に立てば、自分が自然に溶け込むのも早い。その自然というのは、枯野であり、枯草である。なんだかこれが妙に自分に似合っている。山の懐に抱かれていく。

 

 

さて、この道はどこにつながっているのだろうか。(続く)