『天草 夏の風物詩:ハマボウ』

ハマボウ群生地、天草市新和町にやってきた。

 

 

この日は誰もいない。

地元の関係者、ガイド役の人、観光客もいない。

いわば、お祭りが始まる前なのだ。

 

 

しかしながら、とにかく蒸し暑い。

8月の猛暑に比べれば、まだまだというところなのだろうが、こうも急に暑くなると身体が慣れていないせいか、身体が動かなくなってしまう。

この暑さの始まりとともにハマボウの季節がやって来るのだ。

 

 

歳時記にハマボウはない。

自分の知る限り、ハマボウは天草にしかない。

知名度が低い。

だからこそ毎年ハマボウ群生地を訪ねるのだ。

 

 

名も知らぬ遠き島より流れ来る椰子の実ひとつという歌がある。

この歌の歌詞とハマボウのイメージが重なる。

天草は南の島であるが、それよりずっと遠くの南の島より、黒潮に乗りハマボウの種が流れ着いて繁殖したのである。

海岸線の他にはない。

ロマンを感じる花なのだ。

 

 

 

(続く)