映画『白夜行』

ベストセラーとなった、東野圭吾の同名ミステリー小説を映画化。ある殺人事件に翻弄される男女の悲劇的な運命を映し出す。堀北真希が主演を張り、自分の手は汚さず、虎視眈々と自分の地位を確立していく“悪女”に挑戦。また、共演の高良健吾も、女への愛ゆえに次々と犯罪に手を染めていく“闇”を抱えた青年を迫真の演技で見せる。

 

 

ストーリー

ある日、密室となった廃ビルで質屋の店主が殺害される事件が発生。確かな証拠はあがらず、容疑者が死亡したことで一旦は解決したかに見えた。だが、刑事の笹垣は、事件の関係者として会った容疑者の娘・雪穂と、被害者の息子・亮司が何かを隠しているとにらむ。7年後、数件の事件の捜査の過程で笹垣は2人の名前にたどりつく。

 

 

この一年くらい、東野圭吾の小説を読んでいる。けれど、どういうのか、リアルタイムに東野圭吾を読んではいない。つまり本が出版され、映画化されても知らずにいた。

 

数年前、

「もしも東野圭吾を読むとしたらなにがいいだろうか」

とブログに書いたとき、

東野圭吾愛読者のブロガーさんから勧められたのが

『白夜行』

『幻夜』

だった。

 

であるから最初に読んだ東野圭吾の本が『白夜行』。

 

 

当然ながら何の先入観もなく、まっさらな状態で本を読み始めると、大阪が舞台で大阪弁が不可思議な異空間として強い印象を受けた。そして東野圭吾が関西出身だと知る。ま、それからは本を読むのがイヤになるというか、もう先を読みたくないと思いながら、渋々と最後まで読み終えた。

 

雪穂の強烈な個性を放ち、亮司が陰で暗躍する様子に戦慄する。

かつてこれほど暗い小説を読んだことがあっただろうか。

なかった。

しばらくは白夜行が頭から離れない。

厭世観にとらわれていたのである。

続けて『幻夜』を読み進める間、『白夜行』が生き続けてもいた。

 

 

さて、それから東野圭吾を少しは読み進めるようになってから、梅雨の間、蔦屋書店にて映画『白夜行』DVDを借りてきた。返却日の午前中に居間のテレビ画面で観た。映画はやはり観る人にわかりやすいように作らなければならないから、刑事が事件を追及する姿を通して、表面的なストーリーを追わざるをえない。

 

亮司役の高良健吾が出色の演技であった。