阿蘇山、杵島岳登山道を歩いている。
登山道を歩いていると、その一部が阿蘇パノラマラインと並行している。道路との間に木柵が設置されているが、その柵にもたれかかるようにシモツケの花が咲いていた。
ここはアセビ(馬酔木)の並木道。
また余談であるが、シモツケ(繍線菊)を初めて見たのは、佐賀県唐津市の名護屋城跡を尋ねたときのこと。
城跡に”茶苑海月”という茶席というのか、座敷にて抹茶の接待を授ける店がある。
床の間に置かれた花瓶に生けられてるのがシモツケの花だった。
初めて見る花なので、
「これは何という花なのですか」
と尋ねると、
「しもつけです。庭の垣根に咲いている花があるでしょう。それを花瓶に生けました。」
はぁ、なるほど、茶花とはそういうものなのか。
はたと得心がいった。
なるほど自然と一体化するためにあつらえるのだ。
ま、そのときは勝手にそう思ったのである。
そうしてシモツケの花がそのときインプットされた。
あ、これはスイカズラの花が紛れ込んでしまった。 ↑
そうそう、これはスイカズラをお嬢様のようにきれいに写真を撮ってあげようとしたのであった。
こうしてみるとスイカズラの花もまた清潔感のあるたたずまいではないか。
さて阿蘇パノラマライン沿いの道ばたのシモツケは、野性味があふれている。
縦横無尽に枝を伸ばし、葉を茂らせ、そして花を咲かせている。
さすがにこれぞ阿蘇のシモツケだと思わせる。(続く)