阿蘇山の杵島岳登山道を歩いている。

 

 

思いがけずヤマアジサイを見ることができたと、喜んでいると、阿蘇に来れば「これだ」と予想どおりに咲いているのがミヤコグサ(都草)。

 

 

初めて見たのが、阿蘇外輪山のミルクロードにある兜岩展望所。「この花は何?」とブログで尋ねてみたら「あ、それは、ミヤコグサじゃないかしら」とコメントをくれたのは「乙女の靴音」さんではなかったか。

 

 

それからは、阿蘇の来ればミヤコグサを見かけるのに、「なぜ都の草なのか?」と時々思わないこともない。

そうして今回、果たして「季語にミヤコグサがあるだろうか?」と歳時記を開いてみると、ある。

 

 

都草(みやこぐさ)五月 夏

茎は2,30センチ、葉は三枚の小葉と一対のそえ葉からなるため、五枚に見える。五月ごろ茎の頂に一対の蝶形の黄金色の花をつけ、可憐で趣がある。京都に多く自生していたのでこの名がある。

 

夕かげをひきとめてゐし都草

手塚基子

 

 

阿蘇の草原に、過酷な生存環境に耐え、雑草の如く生息していながら、何やら雅(みやび)な可憐さがあるようにも見える。(続く)