校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んだ。先生を二人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、先生をナンパするアーチェリー部の主将――犯人候補は続々登場する。そして、運動会の仮装行列で第二の殺人が・・・・・・。乱歩賞受賞の青春推理。
文庫本表紙の裏に東野圭吾の来歴が記されている。
1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。
東野圭吾のデビュー作にして文学賞初受賞作品である。
作家としての出発点、東野圭吾の原点。
読み始めてすぐに魅了された。
校内で連続して起きる殺人事件。
狙われているのは教師の自分なのか。
疑心暗鬼が拡散し続けておさまりがつかない。
謎が膨らんでいく。
面白い。
間違いなく面白い。
夢中になる。
これまでに読んだ東野圭吾の本が少しずつ増えていくところではあるが、デビュー作にして衝撃的なミステリー作品である。
「これまで読んだ本でどれが一番面白かったか?」
と問われたとき、
『放課後』が面白かった
と答えるかもしれない。