成績不振に苦しむスポーツ選手、息子が植物状態になった水難事故から立ち直れない父親、同性愛者への偏見に悩むピアニスト。彼らの悩みを知る鍼灸師・工藤ナユタの前に、物理現象を予測する力を持つ不思議な娘・円華が現われる。挫けかけた人々は彼女の力と助言によって光をとりもどせるか?円華の献身に秘められた本当の目的と、切実な祈りとは。規格外の衝撃ミステリ『ラプラスの魔女』とつながる、あたたかな希望と共感の物語。

 

 

確かに「ラプラスの魔女」・羽原円華とつながっている。

しかし、『ラプラスの魔女』の凄まじき緊迫感が連続するテイストとは打って変わって、なんだか長閑というか、ユーモラスなテイストのスポーツ科学小説ではないか。

なので、身構えていたのに拍子抜けした。

 

 

第三章「その流れの行方は」には心打たれたなどと思っていると、第四章「どのみちで迷っていようとも」からは、前振りが終わって、この小説の核心に迫り始める。

 

そして第五章「魔力の胎動」は、謂わば『ラプラスの魔女』の起点、原点が明らかになる。

 

 

そして、『魔女と過ごした七日間』を続けて読むことにする。