強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く・・・・・・。しかし、進学、恋愛、就職と直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪被害者の家族を真正面から描き、感動を読んだ不朽の名作。
『手紙』の文春文庫裏表紙には、『秘密』『片想い』のイラストが描かれた表紙の写真がある。この三作品には三部作のように関連性があるのか。
直貴自身のせいではない。
兄・剛志のせいだ。
自分はついてない。
どうしようもない。
貧しく社会の底辺で喘ぎながら生きていくほかないのか。
しかしながら、あることをきっかけに働きながら通信制大学に入学する。
三年生からは通学過程に編入し、バンドヴォーカルとしての活動が始まる。
光り輝くような希望が見えた。
そのときやはり壁が立ちはだかる。
なすすべはないのか。
二度と来ない青春は、悲しく苦しい。
これでもかと追い込まれる直貴を支えようとする由美子と出会い、結婚し娘が生まれる。
それでもなお禍福は糾える縄の如く、これでもかと禍が続く。
毎月届く兄・剛志からの手紙。
これでは何の感想文にもなっていないけれど・・・。