私は、どう考えても『窓際のトットちゃん』よりおもしろいことは書けない、と思っていた。私の人生でトモエ学園時代ほど、毎日が楽しいことはなかったから。だけど、私のようなものの「それから」を知りたいと思ってくださる方が多いのなら、書いてみようかなと、だんだん思うようになった。よし!と思うまで、なんと四十二年もかかってしまった。
『窓際のトットちゃん』はトットちゃんがとてもかわいくて面白かった。教育とはなんなのか。子育てはどうあるべきか。などを含めて考えさせられる、“ためになる”本でもあった。今も、我が家のどこかに本がある。
そしてこれが(続)。
パパが出征した。
東京が空襲に遭い、トットちゃんたちは疎開する。
尻内(八戸)からバスに乗る。
戸来(へらい)にあるキリストの墓に参る。
疎開先の諏訪ノ平での生活が始まる。
このようなエピソードがユーモアを交えながら簡潔に記述されている。
これは4つの章に分かれているうちの2番目の章「トット、疎開する・・・・・・・」
ああ、尻内、諏訪ノ平、三戸。
これはトットちゃんの家族が疎開したときの話であって、自分とは何のかかわりもないのだけど、これも何かの縁、やはり一度は訪ねて見ないわけにはいくまい。
そう思うのだが・・・。
トットちゃんの個性が際立つ。
ハートウォーミングなエピソードがちりばめられている。
泣いたり
笑ったり
トットちゃんの青春記