十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。彼女から、殺人を告白された哲郎は、美月の親友である妻とともに、彼女をかくまうが・・・・・・。十年という歳月は、かつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描いた、傑作長編ミステリー。

 

 

数多くある東野圭吾の小説、アトランダムに手にとって少しずつ読んでいくうちに虫食いのようになった。その隙間を埋めるがごとくに本を選ぶ。

今回は『片想い』。

少し前に読んだ『秘密』は、母親が小学生の身体に宿った話。『片想い』は、外見は女性だけれど心は男性など、性同一性障害の話。

 

 

事件に巻き込まれた大学アメフト部OB、かつての仲間たち。学生時代のアメフトのポジションそのままのように、まるでディフェンス側とオフェンス側に分かれての攻防のような展開になる。

 

単純な事件のようでありながら、誰が誰なのか、なにがどうしたのか、訳が分からなくなっていく。かつてのアメフトの試合と現実とが交錯しながら膨らんでいく疑惑。

 

ちょっとよくわからなくなったとしてもさっさと読み飛ばしながら先を急ぐ。そうしてアメフト仲間が絡み合っていく先にあるものはなにか。