西條奈加の直木賞受賞作『心淋し川』を読んでから、その他を読んでなかった。
西條奈加の『まるまるの毬』というタイトルに魅かれて本を手にする。
これは『心淋し川』前の作品で、吉川英治文学新人賞を受賞している。
裏表紙
親子三代で菓子を商う「南星屋」は、売り切れご免の繁盛店。武家の身分を捨てて職人となった治兵衛を主に、出戻り娘のお永とひと粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、他人に言えぬ秘密があった。愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、読み味絶品の時代小説。
この頃は常に複数の本を同時並行して読むようになった。
そうすると、すいすいと先に読み進める本とつい後回しになる本とがある。
西條奈加『まるまるの毬』は読み易いからいつの間に先に読み進めることになる。
味わい深い人情噺。
泣いて笑って心に沁みる。
すこぶる読後感がよろしい。
そうだな、これはうまい菓子を食べるようなものかもしれないな。