休日になると、特に用事がなければ、車を走らせてどこかに出かける。家に居るときは布団にくるまって、テレビを点けっぱなしにしてほとんど寝ている。そうなることが分かっているからどこかに出かける。
11/11(土)は、午後6時に文政小中学校同級生の講金・例会が予定されていて、つかちゃんと自分が担当者なので、これを外すわけに行かない。それまでの時間をどう過ごすか。数日前に緑川フラワーロードの菊の花を見に行ったばかりだけど、緑川を上流へと遡ることにした。
自宅を出てちょっと休憩をはさむのは美里町の霊台橋。
ここに来ると思い出すのが、ブロガー“へいぞうさん”。
へいぞうさんのハンドルネームは、鬼の平蔵こと鬼平犯科帳の長谷川平蔵からとったとのこと。自分の場合は、今年になってようやく池波正太郎『鬼平犯科帳』を通して読んだばかりであるが、へいぞうさんは、初めの頃からずっと愛読者だったのだ。そのほか、北欧ミステリーのマルティン・ベックシリーズを共通して読んでいた。
へいぞうさんは長野県出身で高校生の頃から日本アルプスを単独踏破していたこともあり、なにかと趣味、嗜好が重なることが多かった。そして後になって分かるのだが、同学年である。世代も共通している。
緑川に架かる霊台橋に来ると、なぜにへいぞうさんを思い出すのかというと、へいぞうさんから「是非、読むように・・・」と勧められた本があって、それは野田知佑『日本の川を旅する』。
ブログのコメントで教えてもらってすぐ、サクラマチ熊本のモンベル店に買い物に行ったところ、本棚に置いてあった。縁があるときはそんなものだ。即、本を読むことになった。
そうして「川を旅する」というテーマで身近にある川のレポートを試みると、へいぞうさんが熱心な追っかけとなり、グーグルマップなどでレポートした場所をなぞり始める。そしてコメントが寄せられる。
そのようなブロ友になって2年ほど過ぎた頃、へいぞうさんは体調を崩してしまい、入退院を繰り返した。そして退院できて「よかった」と思っていた矢先に亡くなった。これはへいぞうさんのご子息が「父が生前お世話になったブロガーさんへのお知らせです」とブログ記事をアップしたのである。
リアルな友人もいるけれど、一度も会ったことがないにもかかわらず、短い年数であっても濃密な心の交流を続けたブロ友さんがいる。緑川、そして霊台橋に来ると、いつもブロ友・へいぞうさんを思い出す。